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『週刊ダイヤモンド』特別レポート

福島第1原発、廃炉現場の語られざる真実

竜田一人×開沼博対談(3)

週刊ダイヤモンド編集部
2015年12月28日
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2016年3月で東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故からちょうど5年経つ。この間福島は、それを取り巻く世論はどう変わったのか。廃炉作業 の日常を実際に作業員として働きつつルポマンガで描いたマンガ家と、福島生まれの気鋭の社会学者が語り合った。本稿では『週刊ダイヤモンド』12月21日発売号の特集「2016年総予測」に収録しきれなかった対談内容を、3回にわたってお届けする。(聞き手・構成/週刊ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)

>>第1回第2回から読む

――廃炉については今後どうなるのでしょうか。

たつた・かずと/大学卒業後職を転々としながらマンガ家としても活動。震災を機に被災地で働くことを志し、12年から福島第1原発で作業員として働く。現場の労働の模様を克明に淡々と描いた「いちえふ」は新人としては異例の初版15万部を記録。世界的に話題となった。

竜田 緊急対応は片付いた。これからオフサイト面をどうしていくかをリスタートする年に16年はなるでしょうね。

 劣悪な労働環境と言われてきましたけど、食堂もできたし現場の福利厚生施設は整備された。汚染水も遮水壁ができてカタはついた。後は廃棄物問題です。今まで作業で着たタイベック(防護服:中には汚染度が高いものもあるため5年間処理できず今まで使ったものをすべて備蓄している状態)などをどうするか。さらに本丸である、原子炉中のデブリをどう処理するか。これらの対策をどうするか落ちついて考えながら、徐々に研究しながらやっていけばいい話かと思います。当初「シャットアウトできている。コントロールできている」と言いながら漏えいしてしまった汚染水ですが、現在は本当の意味で対策はなされている。大体の放射線核種は機械で処理済ですから。

 今後残っているのは、タンクに入った膨大な量の処理済汚染水に入っているトリチウム(注:もともと自然に存在する放射性核種の一つ。現在問題となっているセシウム137と比較して、1ベクレルあたり約300分の1の内部被ばく量。処理された水には、放射性核種としては、ほぼこのトリチウムのみが残存している)をどう処理するかの話です。海に流せばいいんじゃないか、と僕はずっとおもっているんですけど、地元世間一般の納得が得られないと。 

 今仮にタンクにあるすべてのトリチウムが流れたとしても影響はない、という話をどっかで書いてくれないですかね。雨水の排水溝が漏れた漏れないの話を延々と騒いでるけど、一番の問題はそこじゃないんですよ。本来であれば、凍土遮水壁は作らずに、処理済の汚染水を海洋放出という方向で地元なり国を説得できれば早かったわけです。あの遮水壁をやっているからこそ、作業をやっている人が7000-8000人要るという大変な状況になっている。あのリソースを他の作業に回せばもっと有益ですし、廃炉もずっと早く進むはずです。

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