前回から、成長を続けるために磨くべき7つのメタ能力について説明している。今回は古くて新しいテーマである「リーダーシップ」について改めて考えてみたい。
前回、「自分が弱いところは、強い人で補完すればいい」と書いた。特に40代も半ばになって、何か事を成し遂げようとするのであれば、それしかない。そのためにも必要なのがリーダーシップである。
ところが、「自分にリーダーシップがあると思いますか?」と聞くと、日本人の場合、大部分の人が「ない」とか、「苦手だ」と答える。
謙遜しているのか本音なのかはわからない。謙遜であるとすれば、そんな謙遜は即刻止めたほうがいい。本音ならさらに問題だ。なぜならば、リーダーシップのない40代など無価値だからだ。
他人を巻き込めない人は
リーダーにはなれない
何も、大組織の経営者になれるか、偉大な政治家になれるか、ベンチャー企業が興せるか、歴史上のヒーローと肩を並べられるかと聞いているわけではない。リーダーシップは、ごく普通の人が日常的に発揮する当たり前の行為だ。
だから、「リーダーシップ力がない」とか「苦手です」ということを、今日を限りに言うのを止めてほしい。逃げてはいけない。「私にはリーダーシップがある」、あるいは「あるように努める」と決意してもらわないことには、先に進めない。
ではリーダーシップとは何か。改めて私の定義を言おう。
それは、「他人に影響をおよぼして望ましい行動を起こさせる」力だ。一言で言うならば、「巻き込む力」だ。
もちろん、それが容易なことだと言う気はない。決して簡単ではない。人を巻き込むには、第一に自分が何を成したいかがはっきりとわかっていなくてはならない。まずここが難しい。
次に、その成し遂げたい事がしっかりと相手に伝えられなくてはならない。これも難しい。その上で、巻き込みたい相手が「巻き込まれたい」と思ってくれなくてはならないわけで、これも当然難しい。
最後の条件=相手が「巻き込まれたい」と思ってくれる、という点から説明しよう。