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エコカー大戦争!

1000馬力の中国製スーパーカーが誕生した3つの理由

桃田健史 [ジャーナリスト]
【第220回】 2016年3月8日
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Techrules社の『AT96』。車体の開発と製造は英国で行う Photo by Kenji Momota

“中華スーパーカー”は
世界初のタービンエンジン採用量産車に!?

 「中国製の凄いスーパーカーがいる!!」

 スイスのジュネーブモーターショーで、欧米メディアが浮足立った。

 ランボルギーニ、フェラーリ、アストンマーチンなどヨーロピアンスーパーカーの老舗に交じって、本格的な中国製スーパーカーが登場したのだ。

 メーカーは、北京に本社を置く「テックルールズ」社。同社が製品を公開したのは今回が世界初である。

 出展車は、ベースモデルの「GT96」と、ハイグレードな「AT96」の2台だ。

 2車ともに、深みのあるブルーを基調としたリアミッドシップの2シーター。どことなくマクラーレンに、そしてアキュラNSXに似ているように思える「スーパーカーの王道」のフォルムだ。

 全長×全幅×全高=4648mm×2034mm×1140mm、ホイールベースは2655mm。車体は軽量化と高剛性を狙い、「スーパーカーの王道」であるカーボンファイバーのコンポジット。車両重量はトヨタ「プリウス」とほぼ同じ1380kgに抑えた。

カーボンコンポジットによる車体。前後の駆動軸にそれぞれモーターを1基搭載 Photo by Kenji Momota

 最大の特徴は、パワートレイン。車体の前後それぞれに1基ずつ、合計2基のモーターを積み、さらに車体後部の上部にタービンエンジンを搭載する。これを同社では、TREV(タービン・レンジエクステンダー・エレクトリック・ヴィークル)と呼ぶ。タービンエンジンは、燃料を燃やし発生したガスでタービンを回して動力を得る仕組みで、航空機用のジェットエンジンもタービンエンジンの一種だ。

 モーターとタービンエンジンを合算した最高出力は1044馬力。最高速度は350km/h、停止状態から100km/hまでの加速は2.5秒だ。

 レンジエクステンダーとは、EV(電気自動車)を基盤として、バッテリーとは別に電気を発生させる動力源を持つ仕組み。最近では、PHEV(プラグインハイブリッド車)と“ほぼ同義”で用いられる用語だが、厳密にはPHEVは動力源が駆動軸に直接力を加える。レンジエクステンダーは、動力源は発電のみに使用することで区別される。

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桃田健史 [ジャーナリスト]

日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなど米国レースにレーサーとしても参戦。自動車雑誌に多数の連載を持つほか、「Automotive Technology」誌(日経BP社)でBRICs取材、日本テレビでレース中継番組の解説などを務める。1962年生まれ。著書「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」好評発売中


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