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オヤジの幸福論

50歳のオヤジは、リスクを取って運用すべきなのか?

後藤順一郎 [アライアンス・バーンスタイン株式会社 AB未来総研 所長]
【第51回】 2016年3月24日
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 50歳前後のオヤジ世代は、資産形成の観点から見ると、非常に重要かつ微妙な年代にいると言えます。なぜなら、確定拠出年金(以下、DC)資産の総額やその使い方、そして老後の資産形成に対するスタンスによって、今後の適切な行動が大きく変わってくるからです。そこで、今回は定年退職後の資産の使い方や資産形成に対するスタンス等によって、適切な行動がどのように変わるか、いくつかのタイプに分類し、見ていくことにします。

あなたはどのタイプ?

(1)DC資産があまり多くない ⇒ Yesなら[1]、Noなら次の質問[2]へ
(2)定年退職時に一括の資金ニーズがある(住宅ローンの繰上げ返済、自宅のバリアフリー化工事など) ⇒ Yesなら[2]、Noなら[3]

[1]DC資産があまり多くない場合
 日本の企業年金制度では、給付が確定している確定給付年金(以下、DB)が依然としてメインの年金で、DC資産があまり多くない人もかなりいると思います。この場合、ライフ・プランニングにあたってDC資産があまり重要でないので、何も考えずに資産を定期預金などに放置している人もいると思います。確かにDC資産があまりに少なければ、そこでの運用成績によって老後の生活が変わることもないので、面倒くさくて考えたくない気持ちはわかります。しかし一方で、「失っても生活に与える影響は限定的」という状況は、リスク許容度が高いことを意味するので、そこではリスクを取って、大きく増やすことを狙えるのです。したがって、「夢を買う」という目的で、リスクの高い運用にトライするのも一案なように思います。

[2]定年退職時に一括の資金ニーズがある場合
 定年退職時にDC口座から運用資産を一括で引き出し、住宅ローンを繰上げ返済したり、自宅を改修したりする人も比較的多いようです。この場合、リスクを取って運用すると、定年退職時に一括で引き出す直前にリーマン・ショックのような市場の大きな混乱があった際、資産が減ったところでお金を引き出すことになります。そのマイナスによって、本来なら住宅ローンを完済できていたにもかかわらず、足りなくなってしまったとなっては目も当てられません。住宅ローンの繰上げ返済でも、自宅の改修でも、一括でDC資金を使う予定があるならば、50歳以降の運用は慎重になるべきでしょう。

 ちなみに、日本のDCにおいては、8割弱の人が一括で引き出しています(2013年度)。「確定拠出年金」と言う名前の制度ですが、「確定拠出『一時金』」となっているのが現状なのです。

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後藤順一郎 [アライアンス・バーンスタイン株式会社 AB未来総研 所長]

慶應義塾大学理工学部 非常勤講師。1997年慶應義塾大学理工学部管理工学科卒業。97年株式会社富士銀行(現 株式会社みずほ銀行)にて、法人向け融資業務に従事。2000年みずほ総合研究所に勤務し、主として企業年金向けの資産運用/年金制度設計コンサルティングに従事。06年一橋大学大学院国際企業戦略研究科にてMBA取得。同年4月アライアンス・バーンスタイン株式会社に入社。共著書に「企業年金の資産運用ハンドブック」(日本法令 2000年)、「年金基金の資産運用-最新の手法と課題のガイドブック-」(東洋経済新報社 2004年)などがある。

 


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年金支給が70歳支給になるかもしれない。公的年金ばかりか企業年金も怪しくなっている。銀行の金利も微々たるもの。平均寿命が延びるほどに老後が不安になってくる。自分で自分を守るためにどうしたらいいのか。オヤジの幸福のために自分年金について教えます。

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