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オヤジの幸福論

確定拠出年金(DC)で金融商品に投資しよう!:投資信託(3)

後藤順一郎 [アライアンス・バーンスタイン株式会社 AB未来総研 主任研究員]
【第50回】 2016年3月3日
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 前回は、優れた投資信託の見極め方について私なりの考え方を紹介いたしました。投資信託を見極めるには、定量評価と定性評価が大事なのですが、投資の初心者にはこうした評価が難しいため、定量評価の代わりにレーティングを活用し、定性評価の代わりにファンドの投資哲学やコンセプトに共感できるかどうかを重視することで、自分に合ったファンドを選べるのではないか、とお話ししました。そうは言っても、ゼロから自分で自分に合ったファンドを選ぶのは、まっさらな画用紙に絵を描くのと同じくらい難しいと思います。そこで今回は、ファンドを選ぶ際の参考情報として、最新のトレンド、つまりDC加入者が今どのような商品を購入しているのかを紹介したいと思います。

一番人気は日本株式ファンド

 直近のデータ(2015年7~9月期、出所:格付投資情報センター「年金情報」)を見ると、最も売れている投資信託のカテゴリーは日本株式ファンドで、全体の純増額の43%を占めています。おそらくアベノミクスによって、ここ数年日本株式が好調だったため、最も人気となったのでしょう。ファンドのタイプを見ると、43%の純増額のうち33%がパッシブ・ファンドで10%がアクティブ・ファンドとなっています。これは多くのDC加入者が運用報酬などのコストを意識した結果、安いパッシブに流れているものと思われます。一方で、「DCのラインナップに魅力的なアクティブが無い」と言う声もよく聞きますので、消極的にパッシブを選んでいる人も多いように思います。アクティブとパッシブのどちらが良いかは、第48回でも触れたように「神学論争」の域に達しており、どちらが良いのか一概には言えません。ただ、小型株式市場や新興国株式市場などは非効率な部分も多く、アクティブによって付加価値が付けられる可能性は相応にあると思います。日本株式市場も比較的アクティブによるリターンが取りやすいと言われているため、コストは高いかもしれませんが、アクティブ・ファンドをもっと積極的に活用してもいいのかもしれません。

根強い人気のバランス型ファンド

 日本株式ファンドの次に多くのDC加入者が投資をしたのは、バランス型ファンドです。DC加入者は仕事や家族のことで忙しいことが多く、自分自身で資産配分を実践できるだけの知識を習得するのは大変ですし、リバランスなどの資産管理を行う時間もないと思います。そこで自分の代理として、バランス型ファンドの活用が進んでいるのだと思われます。ただ、人気のバランス型ファンドでは、「伝統4資産」と呼ばれる日本と先進国の株式と債券のみに投資しているものが多く、シンプルである一方で十分な分散が実践されているのかは微妙なところです。投資の基本原則である分散投資をすればするほど、ファンドはシンプルではなくなります。投資においては「シンプル=良いもの」が成り立たない点には注意が必要です。

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後藤順一郎 [アライアンス・バーンスタイン株式会社 AB未来総研 主任研究員]

慶應義塾大学理工学部 非常勤講師。1997年慶應義塾大学理工学部管理工学科卒業。97年株式会社富士銀行(現 株式会社みずほ銀行)にて、法人向け融資業務に従事。2000年みずほ総合研究所に勤務し、主として企業年金向けの資産運用/年金制度設計コンサルティングに従事。06年一橋大学大学院国際企業戦略研究科にてMBA取得。同年4月アライアンス・バーンスタイン株式会社に入社。共著書に「企業年金の資産運用ハンドブック」(日本法令 2000年)、「年金基金の資産運用-最新の手法と課題のガイドブック-」(東洋経済新報社 2004年)などがある。

 


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