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野口悠紀雄 新しい経済秩序を求めて

マイナス金利は不動産価格の二極化を加速する

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第56回】 2016年3月31日
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ここ数年間で、地価動向に重要な変化が見られる

 マイナス金利はREIT価格を急上昇させた。マイナス金利が長期にわたって継続し、預金金利もマイナスになるような事態になれば、REITなどを通じて大都市の優良物件だけに投資資金が集中し、不動産価格の二極化現象が拡大する可能性がある。

三大都市圏と地方中枢都市の地価が上昇
土地が投機の対象となりうる時代に

 三大都市圏平均の商業地公示地価の推移を見ると、図表1のとおりだ。

 1990年代初めに不動産バブルが崩壊し、三大都市圏商業地の地価上昇率は92年以降継続してマイナスを続けてきた。それが変化したのが、2006年から08年までで、地価上昇率がプラスになった。この現象は、「ミニバブル」と呼ばれた。

 しかし、リーマンショックを契機として再び下落に転じ、09年から13年まで上昇率がマイナスを続けた。

 ところが、14年からは上昇率がプラスになった。16年は2.9%というかなり高い値だ。地方中枢都市では、5.7%だ。

◆図表1: 商業地の地価上昇率(三大都市圏平均)

 三大都市圏商業地の地価が1988年に46.6%もの上昇率を示したことに比べれば、もちろん比較にならないほど低い。また、ミニバブルの際、08年に10.4%になったことと比較しても、かなり低い。ただし、プラスの上昇率となり、しかも図表2に示す預金金利を上回っている。

◆図表2: 定期預金金利(預入金額1000万円以上、10年)

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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野口悠紀雄 新しい経済秩序を求めて

アメリカが金融緩和を終了し、日欧は金融緩和を進める。こうした逆方向の金融政策が、いつまで続くのだろうか? それは何をもたらすか? その先にある新しい経済秩序はどのようなものか? 円安がさらに進むと、所得分配の歪みはさらに拡大することにならないか? 他方で、日本の産業構造の改革は遅々として進まない。新しい経済秩序を実現するには、何が必要か?

「野口悠紀雄 新しい経済秩序を求めて」

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