数年前までは「1ページ5分」かかるほどの超・遅読家だったにもかかわらず、「ライフハッカー[日本版]」などに月60本近くのブックレビュー記事を寄稿する印南敦史氏。年間700冊以上のペースで本を読む彼は、限られたスペースのなかで本棚をどのように管理しているのだろうか?

新時代の読書術「フロー・リーディング」をまとめた『遅読家のための読書術』の内容をベースに、「読書スピードの遅さ」や「読書量の減少」に悩む人たちに役立つコンテンツをお届けしていく。

ガンコな積ん読を解消!書棚の「フロー管理術」

とはいえ、処分すべき本を判断するのは難しいですよね。「本の置き場」の議論になると、決まって「電子書籍があるじゃないですか?」という話になります。

いままさに、この記事も電子メディアで読まれているわけですし、僕自身は決して新しいメディアを否定するつもりはないのですが、やはり「紙の本」派の人間です。何度か電子書籍を試してみようとしたことはありますが、どうしても心が動きませんでした。

たしかに電子書籍を取り入れれば、物理的なスペースは不要になりますから、無限に本を所有することができるようになります。しかし僕が問題にしたいのは、置き場所のことだけではないのです。

置き場所がどれだけあっても、1人の人間が把握できる本の数には限りがありますから、やはり蔵書にある程度の「フロー」を導入し、風通しをよくしておくに越したことはありません。つまり、これから僕が語ろうとしているのは、どんな豪邸に住んでいる人にも役に経つ「書棚の管理術」です。

処分すべき本を見極めるセンスを養いたいのであれば、定期的に書棚をメンテナンスすることです。僕も実際にやっているのですが、これをやるだけで不要な本がかなり処分しやすくなります。