書店派? 図書館派? 本の「どこで買う」問題

数年前までは「1ページ5分」かかるほどの超・遅読家だったにもかかわらず、「ライフハッカー[日本版]」などに月60本近くのブックレビュー記事を寄稿する印南敦史氏。年間700冊ペースで読む彼は、どこでどのように本を入手しているのか?

新時代の読書術「フロー・リーディング」をまとめた『遅読家のための読書術』の内容をベースに、「読書スピードの遅さ」や「読書量の減少」に悩む人たちに役立つコンテンツをお届けしていく。

多読できる人だけのちょっと贅沢な悩み

「ライフハッカー」で書評を書きはじめたのは2012年8月26日のことでしたから、かれこれ3年半も続けていることになります。根が不器用なもので、いまだに「これでいいのかな?」「これじゃだめかな?」みたいに悩みながら書いているものの、ある程度のペースはつくれてきただろうとは思っています。

思い起こせば、書きはじめた当初は困ることだらけでした。ウェブは更新頻度が重要なので、「土日祝日を除いて毎日更新」という条件がついていましたし、遅読にもかかわらず大量に本を読まなければならない。

おもに月刊の紙媒体で仕事をしてきた僕にとっては、ウェブのことはよくわからなかったし、読者像もつかめない。まさに真っ暗闇での手探り状態でした。

ただ、これらのハードルは僕のがんばり次第でなんとかなります。もう1つ、どうにもならない課題がありました。それは「読む本をどうやって手に入れるか?」ということ。

僕がレビュー記事を書くと、本がアマゾンでよく売れたりすると認知されてからは、いろいろな出版社の人が本を送ってくださるようになりましたが、当時まったく無名の駆け出し書評家だった僕に献本してくれる人など誰もいませんでした。だから自分で本を手に入れなければならなかったのです。