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絶滅危惧種なお仕事ガイド

会えると嬉しい“天然記念物”!?
エレベーターガールは本当にムダなお仕事なのか

曲沼美恵 [ライター]
【第3回】 2010年8月5日
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 東京・新宿の、大型書店。一階にある細長い通路で、足が止まった。

 《こんなところに、エレベーターガールがいる》

 ワンピースに帽子、手には白い手袋。おきまりの制服で、ホールの前に立っている。三基あるエレベーターのうち一基が到着すると、すかさずその前に歩み寄り、客をさばいている。

 人波に押されて乗り込むと、ドアの中にもエレベーターガールがいた。決して広いとは言えない空間で、操作ボタンに張り付くようなかっこうで案内業務をしている。

 途中階でさらに客が乗り込んでくると、中は一層、混雑した。その混み具合を見るなり、彼女はくるりと左45度に向き、身を縮めるようにしつつ、壁に向かって案内業務を始めた。

 それを見て、5年以上前のある出来事を思い出していた。

 取材で知り合った自称フリーターの若い男性に、「彼女たち、どんな気持ちで仕事をしていると思う?」と質問された。

 場所は、とある駅ビル。彼が指さす先には、制服姿のエレベーターガールがぽつんと立っていた。

 「毎日、上ったり、下りたりでつまらない」

 目に映ったままを、答えたつもりだった。だが、彼は《何もわかっていないなあ》という表情で、「それは違う」と否定した。

 「毎日、お客さんと接することができて楽しい。彼女たちはきっと、そう思ってるんじゃないかな」

「儲からなくても幸せ」ではいられない?
“過剰サービス”と追い詰められた彼女たち

 エレベーターガールは日々、どんな思いでシゴトをしているのか。当人たちに取材を申し込もうと、改めて書店の代表番号に電話をかける。

 「エレベーターガールのことなら、ビルのメンテナンス会社に聞いて下さい」

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曲沼美恵[ライター]

1970年生まれ。大学卒業後、日本経済新聞社に入社。2002年からフリーに。近年はビジネス誌やウェブサイトで、ルポルタージュやインタビュー、コラム等を執筆。近著に『メディア・モンスター:誰が黒川紀章を殺したのか?』(草思社)がある。仕事に関する情報はブログでも紹介中。「ニュース」より「人」に興味あり。

 


絶滅危惧種なお仕事ガイド

「もう食えないかも」「このままだと絶滅」と言われる産業に従事する人々のなかにも、実は意外にしぶとく生きている人たちがいる。日本一でもなく、世界一でもない、「最後の下駄屋になること」を目指して働く職業や人々を追いかけ、「崖っぷちの中に見える希望」を探る。

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