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マインドフルネスで腰痛改善
認知行動療法と同じ効果

井手ゆきえ [医学ライター],-週刊ダイヤモンド編集部-
【291回】

 最近、ビジネスマンの間で話題のマインドフルネス。集中力が高まりパフォーマンス向上が期待できる、らしい。

 もともとはマインドフルネス・ストレス低減法という瞑想とヨガをベースにした精神・心理学的治療プログラム。慢性疼痛やうつ病など、気分障害の緩和のために開発された。医療分野ではすでに30年以上の歴史がある。

 先日、世界五大医学誌の一つ「米国医師会誌:JAMA」に慢性腰痛に対するマインドフルネスの効果の検討が掲載された。

 試験では慢性腰痛持ちの20~70歳の男女(平均年齢49.3歳)324人を無作為に(1)マインドフルネス(MBSR)群、(2)認知行動療法(CBT)群、そして(3)指圧などの一般的なケア群に分け、効果を比較。腰痛に悩んでいる期間は3カ月~50年と幅広いが、平均は約7年だった。

 一般的なケア群は普段通りのケアを、MBSR群とCBT群はそれぞれ週1回、2時間のプログラムを8週間実施。

 26週時点で、腰痛のために仕事や家事ができない、椅子から立ち上がれないなど、どれだけ日常生活が制限されているかを評価し、さらに試験開始時点からの痛みの変化を自己申告してもらった。

 その結果、26週時点で日常生活の制限が改善されたのは、MBSR群で60.5%、CBT群が57.7%と約6割に達した一方、一般的なケア群は44.1%だった。痛みの改善度も、一般的なケア群より、MBSR群とCBT群が高かった。

 研究者は「マッサージや指圧など一般的なケアは、短期的には良いが長期的に効果が下がる。一方、MBSRやCBTなど『心身』に働きかける方法は長期の効果が期待できる」としている。

 MBSRのキーは「今、ここ」への気付き。瞑想やヨガで今に集中する力を磨き「この瞬間」の自分の感情・思考・感覚を客観的にモニター(観照)することで、痛みや苦痛へのとらわれを手放す。

 何だか眉唾に思えるが、実は日本の禅から発した方法論でもある。難しく考えず、身体の感覚に集中することから始めてみよう。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 

週刊ダイヤモンド編集部


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