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上海はトレンドの情報発信都市にあらず
中国の全世代に情報を伝える有効な手段とは

山谷剛史 [フリーランスライター]
2010年8月31日
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 多くの日本メーカーが中国市場をターゲットとしているのは言わずもがなだが、中国市場に興味がある日本人の誰もが勘違いしていることがある。それは、日本人は流行の最先端を行く上海が、情報の発信基地であると考えているということだ。

上海は流行の最先端を行くが
情報の発信地ではない

 上海が流行の最先端ではあるのは紛れもない事実だが、上海からの人づてによる情報の伝播力は僅かでしかない。

 日本では大手民放や大手出版社が東京に集中している結果、現在のお台場や汐留や六本木の最新状況を日本全土に知らせる情報番組があり、銀座や渋谷や秋葉原の最新トレンドを伝えるニュースサイトや雑誌がある。

 こうした環境に育つと、何の疑いも持たずに中国でも上海のホットな情報が、中国全土に伝播するのではと思いがちだが、上海の「今」を紹介する雑誌はごくごく一部に限られており、テレビでも上海も北京もトレンドの発信地としては紹介されない。日本人がトレンドの発信地としての東京に憧れるようには、中国人が上海に憧れることはない。

 広大な中国におけるトレンドの発信地は、省都ないしは大都市である。例えばユニクロが上海や北京に展開しようが、重慶や瀋陽ではそれを知る人はほとんどいないけれど、重慶や瀋陽の目立つ場所に店が進出すれば、瞬く間にその都市の若者を中心に知られることになる。外資企業の展開は上海から広がっていくのが常であるため、結果的に上海から流行が拡散していくように”見えている”のだ。

 ではユニクロのような外資企業が進出する際に、地方都市のどのような”目立つ場所”に、その都市での流行発信基地となるアンテナショップを置くのだろうか。東京や大阪のように駅前にデパートがひしめくケースは大連くらいであり、多くの都市は日本の地方都市のように鉄道駅から離れたところに繁華街がある。

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山谷剛史 [フリーランスライター]

日本人の立場から中国のIT事情を紹介する。執筆の他、講演も行う。著書に「新しい中国人 ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)


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