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英EU離脱の余波が日本経済を浸食し始めている

週刊ダイヤモンド編集部
2016年7月4日
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EU離脱派が勝利した英国の国民投票。市場はまさかの結果に動揺し、離脱に票を投じた英国民でさえも困惑の声を上げる。離脱ショックは英国・欧州だけでなく日本経済・企業をも大きく揺さぶる。(「週刊ダイヤモンド」編集部 EU問題取材班)

 離脱51.9%、残留48.1%。僅差でEU(欧州連合)離脱派が勝利した英国の国民投票結果を見て、ある金融機関の為替業務担当者は悲嘆に暮れた。残留で決まりと思い込んでいたからだ。

 「残留決定後、7月8日発表の米国の雇用統計で強めの数字が出れば、1ドル=108円前後まで円が安くなるだろうから、そこでドル売り円買いの為替予約をしよう」と輸出企業の財務担当者と打ち合わせしていたのだ。

 しかし、6月24日に英国の国民投票の結果が出る前の時点で、1ドル=106円台で推移していた円の対ドルレートは、結果の大勢が判明した後、リスクオフ時には安全資産である円が買われるというセオリー通り上昇し、一時99円を付けた。当然、為替予約の話は宙に浮いたままだ。

残留と思い込んだ金融市場

 多くの市場関係者が、英国は残留すると思い込んでいた。国民投票の当日の23日、17日以降値を上げていたポンドは、対ドルで1ポンド=1.5ドルを超えた。円も下落した。英国、米国、日本の株価も離脱派が優勢と報じられていた前週よりも高い水準で推移していた。

 残留に傾いていた分、その反動で離脱派勝利判明後の為替や株価の変動が大きくなった。円は急伸し、ドルの対ポンドレートは急落、27日には一時、1ポンド=1.3122ドルと31年ぶりの安値を付けた。

 株式市場にも激震が走った。結果判明後、最初に開かれた主要市場である東京市場では、24日に日経平均株価が前日比1386円33銭安の1万4952円2銭を付け、リーマンショック時を上回る約16年ぶりの下げ幅を記録した。FTSE100、ニューヨークダウも下落し株安の連鎖となった。

 ただ、為替相場、主要国の株価は国民投票の翌週27日以降、落ち着きを取り戻しつつある。円の対ドルレートは1ドル=100円台前半で推移し、日経平均は27、28日と連騰、ニューヨークダウも28日は上昇に転じた。

 離脱派勝利直後には、英国離脱→スコットランド、北アイルランド独立→EU混乱→英国・欧州経済低迷といった離脱のハードランディングシナリオを市場は織り込み、大きく動揺した。

 その後、「離脱はするが、英国とEUの間で一定の条件の下、ヒト、モノの自由な往来が認められるソフトランディングシナリオの公算を織り込み始めた」(窪田眞之・楽天証券チーフストラテジスト)ため、とりあえず小康状態を保っているとみられる。

 また、リーマンショック時と違い、金融危機には陥っていない。金融機関のドル資金不足を映し、リーマン時には4%台に跳ね上がったLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)ドル3カ月物は、0.6%台で落ち着いている。

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