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転職で幸せになる人、不幸になる人 丸山貴宏

「管理職になると転職で不利になる」は本当か

丸山貴宏 [株式会社クライス・アンド・カンパニー代表取締役]
【第41回】 2016年7月11日
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なぜ管理職になると
キャリアの危機に直面するのか

管理職経験がないと転職にマイナス……と思いきや、実はそうとも限らないようです

 年功序列・終身雇用慣行がまだ成り立っていた時代には、現場の業務に関わらない、いわば純粋な中間管理職が存在しました。しかし最近はそうした人たちを見かけることは少なくなり、管理職として求人があるのは新入社員や若手社員を束ねて教育・育成しながらチームとして成果をあげる立場のポジションか、自分も第一線に立つプレーイングマネージャーが多くを占めます。

 前者の教育・育成的役割の度合いが強い管理職がいなければなかなか若手社員は育ちませんし、サービスも回りません。しかしキャリア形成や転職という観点から見ると、そのポジションに座ることはかなり危険が伴います。

 たとえばある業界の大手企業では新卒社員をたくさん採用しどんどん営業に回らせるのですが、知識も経験も常識も足りないので自ずと顧客からのクレームもどんどん入ります。この会社の管理職はクレーム処理に走り回りつつ、それを通じて新卒社員の教育も行い3年ほどで一人前の水準に育成する役割を担っています。

 こうしたタイプの管理職が転職市場に出たとき、同じような組織から同じようなポジションの求人があれば転職はできるでしょうが、やがて先細っていきます。年齢がいけばいくほど若手社員とのギャップが生まれてきますし、自分が第一線に立っているわけではないので有用な経験の蓄積も人的ネットワークの構築もあまりできないからです。

 では独立してみてはどうかと考えてみても、クライアントや取引先との直接的なつながりもないし、大した知識や専門性もないことに気づくでしょう。転職や独立をせず会社に残ったとしても、そんな状態で定年まで勤めあげられるかどうかはかなり難しい。結局、八方ふさがりの状況に陥ってしまうのです。

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丸山貴宏 [株式会社クライス・アンド・カンパニー代表取締役]

1986年滋賀大学経済学部卒業後、リクルート入社。7年間人事担当採用責任者として新卒、中途、留学生、外国人など多岐にわたる採用を担当し同社の急成長を人材採用の側面から支える。退職後現社を設立。リクルートで実践した「企業力を超える採用」の実現のため1000社を超える顧客にそのノウハウを提供、さまざまな分野の支援を実現。また個人へのキャリアコンサルティングは1万名を超え、「個人の本気に火をつける」面談には定評がある。49歳。1963年生まれ、いて座。

 


転職で幸せになる人、不幸になる人 丸山貴宏

35歳以上の転職がもはや当たり前の時代になり、これからはより多くの人が転職を意識することになる。しかしそのときに「転職の作法」を全く知らないがために、失敗し続けてしまっては本末転倒だ。この連載では、失敗した人を具体的な事例として出しながら、何が悪かったのか2万人を見てきた転職コンサルタント丸山貴宏の視点で一刀両断。成功へと導く手助けをします。

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