
「リーダーシップ」というと職務上のリーダーに必要なもので、部下や組織を持たない人には必要ないと思われがちですが、実はそうではありません。本稿では、リーダーシップの5つの本質について、ガンダムのエピソードの中から印象的なセリフを交えて紹介します。セイラの「あなたならできるわ」という有名なセリフも、リーダーシップ要素の一つです。
「リーダーシップ」とは何かを考える
リーダーシップ論はさまざまな権威からいろいろと語られてきました。精神論からテクニック、論理的なフレームワークから個人の信念まで、アプローチの仕方も多岐(たき)にわたります。
皆さんの中にも何かしらあると思われますが、それらを一度フラットにして、心を落ちつけてガンダムに見てみましょう。
リーダーシップというと、部隊の指揮官のような職務としての「リーダー」に必要なもので、部下や組織を持たない人にはあまり関係ない、といった印象があるかもしれません。また、生まれ持ったカリスマや卓越した能力が必要だ、といった印象もあるかもしれません。
ビジネスにおいては、リーダーシップは部下の有無に限らず必要で、後天的に獲得可能なスキルと理解されます。
リーダーシップ=必要な行動を促すスキル
リーダーシップは、「目的を達成するために必要な行動を促(うなが)すスキル」のことです。戦略に基づく計画を実行するのに必要不可欠です。通常、そうした行動には困難がつきものなので、困難を乗り越える能力とも通じます。
このように考えると、部下がいなくても、リーダーシップは必要です。端的な例のひとつは、アムロに見ることができます。北米上空で、「もう怖いの嫌なんだよ」などと泣き言を言いつつも、最後はガンダムに乗って戦います。
私たちにも「今日は疲れてて起きるの嫌だな」とか、「ビデオ会議に出たくないな」という気分の日はあります。それでも自身の気持ちを奮(ふる)い立たせて立ち向かうことは、二度もぶたれながら立ち上がったアムロに通じるものです。自分自身の行動を促す、自分自身へのリーダーシップといってもいいでしょう。これは新入社員にとっても重要なスキルです。
経験を積み、職位が上がるにつれて、自分自身ではなく組織や部下に対するリーダーシップの重要度が増していきます。いずれ、組織の命運を左右することも少なくありません。これが多くの企業が入社時にリーダーシップを重視する理由です。