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税金亡命
【第7回】 2016年8月2日
著者・コラム紹介バックナンバー
佐藤弘幸

脱税は、国税OB税理士が仕掛けている!?
「癒着」のカラクリとは?

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・パナマ文書、タックスヘイブンとは何か?
・富裕層はどんな税金対策をしているか?
・世界ではどのような脱税行為が行われているか?

国税最強部門、「資料調査課」(税務署では調査できない困難案件、例えば大口、悪質、海外、宗教事案などを扱う部署)出身であり、タックスヘイブンの実情を描いた最新刊、『税金亡命』の著者でもある佐藤氏が、本連載で実情を語る。

なぜ、国税OB税理士なのか?

 国税OB税理士は、現役時代に多くの税務調査案件に関わっている。税務調査では、事実認定(事実の価値評価と判断)と法令適用により、納税者の税務処理がセーフになったり、アウト(追徴)になったりする。法令適用の場面で、当局と納税者が揉めるケースは僅少であり、異議申し立てや訴訟に至る案件の多くは、「事実認定」に意見の食い違いがあることが原因である。

 事実認定について、少し説明しておく必要がある。税務調査の場面だと一般の人はイメージが難しいので交通違反を例にする。Aという人が自動車を運転していたとする。制限速度40キロのところを、追跡したパトカーに乗車していた警察官は70キロで走っていたとしてスピード違反を宣告する。本当に70キロで走っていれば30キロオーバーとなる。

 ただ、Aが走っている車を追跡して正確な速度を計測するためには、パトカーは同じスピードで一定時間走行しないと計測できない。ここにグレーゾーンが発生する。本当に正確な速度を計測できたのか。追跡方法、時間、証拠の有無などにより、速度違反を立証できるのか。測定器が故障していることだってあるだろう。これが事実認定というものである。

 事実認定の結果、30キロオーバーが「確定した答え」になって、ここで初めて道路交通法を適用することになる。まず先に「事実認定ありき」なのである。

 税務は様々な民事、商事を取り扱う。経済取引のほとんどが税法に関係しているといえる。取引に関するストーリーの構築や証拠の内容によって、事実認定が困難になる場合がある。白とも黒とも言えないような事実関係、これが「グレーゾーン」と呼ばれるものである。当局の「見方」、あるいは納税者側の「見せ方」によって、見解が分かれることが日常茶飯事である。

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佐藤弘幸(サトウヒロユキ)

1967年生まれ。東京国税局課税第一部課税総括課、 電子商取引専門調査チーム(現在の統括国税実査官)、統括国税実査官(情報担当)、 課税第二部資料調査第二課、同部第三課に勤務。 主として大口、悪質、困難、海外、宗教、電子商取引事案の税務調査を担当。 退官までの4年間は、大型不正事案の企画・立案に従事した。 2011年、東京国税局主査で退官。現在、税理士。


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