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モビリティ羅針盤~クルマ業界を俯瞰せよ 佃義夫

新型プリウスPHV「HVとは別物」に見るトヨタの本気

佃 義夫 [佃モビリティ総研代表]
【第37回】 2016年8月27日
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新型プリウスPHVモデルは、スタイリングからしてこれまでのプリウスとは全くの別物と思うほど違う Photo by Akira Yamamoto

ベールを脱いだ新型プリウスPHV
従来のプリウスとは全くの別物

 トヨタ自動車がハイブリッド車(HV)に次ぐ次世代環境車の柱として位置づけ、開発した新型「プリウスPHV(プラグインハイブリッド車)」がベールを脱いだ。PHVは、家庭用のコンセントから直接バッテリーの充電できるハイブリッド車ということだが、より電動車としての走行距離が長くなった。

 トヨタが今冬に発売する新型プリウスPHVの事前試乗会に参加する機会を得て、筆者はこの新型プリウスPHVに試乗してきた。その印象は「トヨタがPHVに本腰を入れた」である。

 まず、この新型プリウスPHVモデルは、スタイリングからしてこれまでのプリウスとは全くの別物と思うほど違う。フロントデザイン、リアのデザインともに差別化してきた。一目でPHVモデルと判断できるのだ。さらに試乗してみると、EVモード走行での加速のレスポンスやコーナリングの切れの良さが体感できた。

 これは現行PHVと4代目プリウスHVの、二つのモデルとの比較試乗での実感である。特に現行PHVモデルとの比較では「これだけ進化したか」と思うほどで、まさに「雲泥の差」の違いがあった。新型モデルではEV走行をいかに重視したかがわかる。

 トヨタのハイブリッド車戦略は、1990年代末から次世代環境車への大きなステップとして推進され、一定の成果を収めた。だが、世界各地で厳しくなる環境規制は、HVからPHVやEV(電気自動車)、さらにFCV(燃料電池車)への転換を余儀なくさせる。

 特にPHVは当面、HVに次ぎ、実用的な次世代エコカーとして普及促進への期待が大きい。実際に欧州勢などは、このPHVに照準を定めてきており、トヨタとしてもグローバル自動車市場のリーダーとして、この新型プリウスPHVは、世界に向けても大きくアピールしていくものであろう。

トヨタが火をつけた
日本でのハイブリッド車人気

 昨年2015年12月に発売された新型プリウスは、4代目としてトヨタが設計や調達、生産技術まで含めたクルマづくりを大改革したTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)を導入した第1弾車として登場した。4代目プリウスは、このTNGA新プラットフォームを採用した低重心のスタイリングに加え、40.8km/Lの燃費性能などが好評であり、日本国内市場の新車販売ランキングでは、7月まで8ヵ月連続の首位を続けている。現在でも納車まで6ヵ月待ちと言われるほどの売れ行きを示している。

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佃 義夫[佃モビリティ総研代表]

つくだ・よしお/1970年、創刊86周年(2014年2月時点)の歴史を持つ自動車産業日刊専門紙『日刊自動車新聞社』入社、編集局に配属。自動車販売(新車・中古車)・整備担当を皮切りに、部品・物流分野を広域において担当した後、国土交通省・経済産業省など管轄官庁記者クラブ、経団連記者クラブ(自工会分室)と、自動車産業を総合的に網羅し、専任担当記者としてのキャリアを積む。その後、該当編集局内における各分野のデスク・論説担当編集局次長を経て、出版局長として自動車産業オピニオン誌『Mobi21』を創刊。以降、取締役編集局長・常務・専務・代表取締役社長を歴任。45年間の社歴全域で編集・出版全体を担当、同社の「主筆」も務める。日刊自動車新聞社を退任後、2014年に「佃モビリティ総研」を立ち上げ、同総研代表となる。


モビリティ羅針盤~クルマ業界を俯瞰せよ 佃義夫

「自動車」から「モビリティ」の時代へ――。クルマ業界が変貌を遂げつつあるなか、しのぎを削る自動車各社。足もとで好調を続けるクルマ業界の将来性と課題とは、何だろうか。日本の自動車産業・クルマ社会をウオッチしてきた佃義夫が、これまでの経験を踏まえ、業界の今後の方向・日本のクルマ社会の行方・文化のありかたなどについて、幅広く掘り下げ提言していく。

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