「仕事が進まない」「今日も残業だ」「結果が出ない」……こうした問題を、すっきり解決してくれる手法がある。PDCAを超スピードで回す「高速PDCA」だ。ソフトバンクでは6万人超の社員がこの手法を使い、わずか三十数年で8兆円企業を誕生させた。
圧倒的なスピードで成長するソフトバンクの秘密を、9年にわたり孫社長の右腕として活躍した元ソフトバンク社長室長・三木雄信氏の話題の新刊『孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきたすごいPDCA』から一部抜粋して紹介する。

「同時にすべてを試す」が最強である

「一度にすべての方法を実行する」

 これが鉄則であり、ソフトバンクが他の会社と大きく異なる点です。
 このルールを重視するのには三つの理由があります。

 (1)スピードでライバルに勝てる
 (2)最善の方法を探せる
 (3)各方法を正確に比較できる

 普通なら、まずは一つを試して結果を検証し、「思ったほど効果がないから、別の方法も試そうか」とまた別の一つを試す。そして「最初の方法よりは効果があるが、もっといい方法があるかもしれない」とまた別の一つを試す。

 こんなふうに検証を進めて、すべての結果が出揃ったところで「どの方法が最も効果があるか」を判断し、ようやく本格的な実行に移すというのが一般的です。

 しかし、それでは時間がかかりすぎます。

 パラソルを1ヵ月やって結果を検証し、電話セールスを1ヵ月やって結果を検証し……などとやっていたら、仮に六つの方法を試すと半年かかってしまいます。