第二次安倍政権が発足したのが昨年12月26日なので、半年たったことになる。そして、参院選では、アベノミクスに対する賛否が争点になっている。そこで、半年の間のアベノミクスの評価をしてみよう。

 もともとアベノミスクは、オーソドックスな金融政策・財政政策のマクロ政策と規制緩和等のミクロ政策の組み合わせだ。ミクロ政策では、なんとかファンドとか、官僚が利権のために作ったようなものもあり不十分な点が多く、世界で通用する規制緩和では今イチのところが目立つが、マクロ政策の金融政策は世界標準のインフレ目標なのでまともだ。財政政策も、今度は無駄なバラマキが懸念されるが、これまでのところまずまずだ。

金融政策の効果は
完全発現まで2年程度を要する

 金融政策の効果は、完全に出るまで2年程度を要する。ましてミクロ政策では、規制緩和をしても法制面で手当が2年程度、それからその効果となると、あと数年はみておかないといけない。この意味で即効性のある政策なんてないのが実情だ。

 多くの人は、こうした政策の方向性を見ながら、その効果への期待で動いている。例えば、金融政策では、予想インフレ率が本格的に上昇するのが金融政策を実施してから半年程度かかるというのがこれまでの経験だ。それで実質金利(名目金利マイナス予想インフレ率)が下がり、実体経済への影響ではさらに1年半程度を要する。

 ただし、これらを先取りして資産市場は早く動く。その典型が株式や為替である。もちろん株式や為替はこうした変化を先取りして動くが、オーバーシュートして揺り戻しがしばしば起こる。市場で「調整」と言われるものだ。このため、日々の株価や為替などの経済指標で一喜一憂することはないが、半年タームで見れば、それなりの傾向がわかる。

 株価については、政権発足前に1万0080円だったものが1万4000円程度だ。為替は1ドル84.79円が100円程度と、円安、株高に方向だ。これはアベノミクスで予想された方向とあっている。