経済ニュースを見ると、国際通貨基金(IMF)、世界銀行(IBRD)という2つの単語がよく出てきます。しかし、「両者の違い」や「具体的に何をやっているのか」を言える人はなかなかいないのではないでしょうか。身近な国、韓国の事例とともに見ていきます。

国際通貨基金(IMF)と世界銀行。
その違いが言えますか?

 経済ニュースを見ると、国際通貨基金(IMF)、世界銀行(IBRD)という2つの単語がよく出てきます。この2つがどう違うのか、その役割を見ていきましょう。

 国際通貨基金(IMF)の役割は、国際収支(貿易・投資・外貨準備のプラスマイナス)が極度に悪化した国へ、米ドルの緊急融資を行うことです。

 企業にたとえれば、倒産しそうになった会社には会社更生法が適用され、裁判所の監督のもとで管財人が再建計画を実行します。役員を交代させたり、不採算部門を売却したり、余剰人員を解雇したりするわけです。

 これを条件に、銀行から新たな融資が得られ、債権計画が軌道に乗ればその会社は倒産を免れるわけです。IMFは、裁判所と銀行と管財人を兼ねたような役割をします。

 日本はIMFのお世話になったことはないので、韓国の例で説明しましょう。1970年代、日本はプラザ合意に始まる円高不況に苦しみます。日本のメーカーは中国・台湾・東南アジア諸国へ工場を移転し、アジア経済が急成長します。しかし、その反動がやってきました。