そもそも「Hanako」世代って……

 伊藤忠ファッションシステム(株)では、独自の世代区分で長年世代研究をしてきました。その中でもひときわ華やかさを放つHanako世代は、1959年から1964年生まれ、現在51歳から56歳。子育てはほぼ終了し、定年も視野に入ってきました。オリンピックイヤーの2020年には世代の先頭が60代に突入、まさにシニアビジネスのターゲットになる“この先シニア”です。

 Hanako世代というネーミングは、1988年に創刊された雑誌「Hanako」から。創刊時のキャッチフレーズ「キャリアとケッコンだけじゃ、イヤ。」に象徴されるように、独身時代は雑誌を片手に情報収集を怠りなく、ブランドものショッピング、グルメ、海外旅行、テニス、スキーなど、旺盛な消費意欲と広範な行動力を発揮した世代です。

消費に欲張りな最後の世代

 別名バブル世代や新人類とも呼ばれるHanako世代は、80年代後半のバブル経済を背景に「中流よりもワンランクアップ」や「人と差別化」を志向し、とくに女子大生ブームや男女雇用機会均等法による女性登用機運に乗った女性が、世代価値観をリード。女性上位な世代ゆえ、ここからは女性に絞って、お話しさせていただきます。

 20歳前後に刷り込まれた経済経験や成功体験を、人はなかなか忘れることができません。50代半ばにさしかかったHanako女性は、今でもモノ・コト含めて消費が大好きなのです。団塊ジュニア以降のバブルに乗り遅れた世代が消費に慎重で冷めているのに対して、消費に前向きで欲張りな最後の世代と言えます。この人たちを今後のシニアターゲットとして、狙わない手はありません。