仮想通貨技術の応用が急展開 <br />金融変革は社会をどう変えるか<br />日本の金融機関もブロックチェーン技術の導入に動き始めた

 仮想通貨の基礎技術である「ブロックチェーン技術」に対する関心が、にわかに高まっている。三菱UFJフィナンシャル・グループは、独自の仮想通貨を開発中と報道された。みずほフィナンシャルグループも、ブロックチェーン技術の実証実験を開始すると発表した。日本取引所グループは、ブロックチェーン技術を利用する実証実験を3月に開始する。

「ブロックチェーン」を銀行業務や証券取引に応用することによって、金融取引の形が大きく変わる可能性がある。また、マイナス金利の導入が、こうした動きを加速する可能性もある。

邦銀もいよいよ取り組みを開始
急展開する銀行の仮想通貨導入実験

 銀行が独自の仮想通貨の導入を目指している。

 シティバンクの取り組みについては、本連載第27回で紹介した(なお、第18回も参照)。

 ドイツ最大のメガバンク、ドイツ銀行は、ブロックチェーンが金融取引のあらゆる分野に大きな影響を与えるとして、導入に向けた検討を行なっている(ウォール・ストリート・ジャーナル・オンライン参照)。

 日本でも、この数ヵ月で、ブロックチェーン導入に向けての動きが急速に展開している。

 住信SBIネット銀行は、2015年12月16日、野村総合研究所の協力を得て、ブロックチェーン技術を活用した将来の基幹・業務システム構築を目的とした実証実験を行なうと発表した(「ブロックチェーン技術の利活用に向けた実証実験について」)。この実験によってブロックチェーン技術を活用し、基幹システムや業務システムへの適用に向けた検証事項を洗い出す。また、検証用プロトタイプシステムを構築し、銀行業務への適用における成果や課題を検証するという。

 2月1日の朝日新聞は、三菱UFJフィナンシャル・グループが独自の仮想通貨を開発中と報道した。