僕たちが生きる世界は、「国家」「企業」「個人間の紐帯」の三層にまたがっている。この三層のうち、「国家」に対し「企業」や「個人間の紐帯」の重要性が増してきた。たとえば、日本の将来を悲観し、国外脱出を図ったところで、それは「国家」の枠組みの話でしかない。むしろ、「企業」や「個人間の紐帯」での自分の存在感を増す努力をすべきだ。それには、英語とITリテラシーは不可欠だが、プラスαの能力が必要である。

“ホリエモン”、“英語公用語化”、
“ウィキリークス”・・・から導ける一つの仮説

 堀江貴文氏は、収監前に出演した朝まで生テレビで、「尖閣なんてあげちゃえばいいんだよ」と発言をしていた。覚えている人も多いだろう。それに対して、重鎮の参加者たちが顔を真っ赤にして反論している姿が印象的だった。

 なぜ彼の口からそのような発言が出たのだろうか?

 ユニクロを展開するファーストリテイリングや楽天が英語公用語化を掲げ、三菱重工業と日立製作所の合併が話題になった(その後、両社は否定しているようだが)。

 これらの企業行動の背景には、一体何があるのか?

 wikileaksという世界中の匿名情報を暴露している組織のトップ、ジュリアン・アサンジ氏が逮捕された。アサンジ氏の逮捕については、アメリカやイギリスをはじめ多くの先進国の公安・警察が連携して、彼の身柄の拘束に力を尽くしていた。結果的にアサンジ氏は、「スウェーデンでコンドームなしにセックスをした」などを筆頭にやや曖昧な強姦容疑で逮捕され、Wikileaksのような情報組織は一旦、勢力を削がれる形となった。

 事件の動機には何があったのか?

 この、一見なんの関連もなさそうな三件の事象の背景を探ろうとすると、ある一つの仮説が成り立つ。それは「世界は三つの“層”で出来ていて、その三層が明確化・対等化しつつある」ということだ。