本日のテーマは「セールストーク」です。1800人を超えるトップセールスへのインタビューの中で、「売れるセールストーク」の極意がわかりました。ポイントは「商品説明は不要」。どういうことなのでしょうか?さっそく見ていきましょう。

「売り込まずに売る」
その極意とは?

 経済や消費が成熟した現在では、「その会社しか扱えない商品」を持つことは稀です。どの企業も、類似商品や代替商品を持っています。

 人は、他人から売りつけられたり、価値観を押しつけられたりすることを嫌います。人間には、自分の行動や選択を「自分で決めたい/自分で選びたい」という欲求が備わっているからです。

 買いたいという気持ちがあったとしても「当社の商品はすごくいいので、買ってください」というストレートすぎる売り込みに対して、「はい、わかりました」と素直に購入するお客さまは、限りなくゼロに近いでしょう。

選択肢を奪われたり、他人に強制されたりすると、たとえそれが自分にとってプラスの提案であっても、その行為や主張に反発を感じることがあります。こうした心の状態を、「心理的リアクタンス」といいます(リアクタンス=抵抗)。

 営業マン自身には、「売り込んでいる意識」はないのかもしれません。しかし、商品を出発点にしたセールストーク、たとえば「この商品は素晴らしくて……」などは、お客さまからは「売り込み」だと取られやすいのです。