Jパワー株の買い増しを巡っての攻防が続いている。さる4月16日、政府から出されたJパワー株の買い増し中止・変更勧告を受けたザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンドのアジア代表ジョン・ホー氏にJパワー株投資の目的と今後の取り組みについて聞いた。(聞き手:『週刊ダイヤモンド』編集部 遠藤典子 野口達也)
T.Usami |
ジョン・ホー・TCIアジア代表 |
――政府は買い増しに中止・変更勧告を行なった。
われわれは政府が懸念している原子力発電所や送電設備における安全保障を脅かすつもりはない。理解を得られるよう、妥協点を探し続ける。
政府の懸念を解消するため、追加株式を信託して議決権行使を限定する旨を申し出た。20%という比率にはこだわらない。
――行政訴訟も検討するか。
訴訟をすれば、政府との対決姿勢が強くなる。それだけは避けたい。
――日本の外為法による外資規制は厳格か。
すべての国で外資規制は存在する。得体の知れない投資家の参入を規制することは、投資家としては賛成だ。だが、日本の規制については基準が不明瞭だ。
経済産業省に外為法の「公の秩序」とは何かを聞いてもあいまいな答えしか得られない。われわれは戦いを挑んでいるのではない。問題があれば解消したいから聞いているのだ。
――そもそもJパワーへの投資の目的は。
Jパワーはコストの安い石炭火力や水力、それに安定的な収益を生む送電設備を持っている。だが株価は割安過ぎる。効率的な運営で業績をアップすれば、株価はついてくる。われわれは株主の責任としてそれを働きかけたい。