関東圏を中心に家電や服飾のリサイクルショップを展開する「トレジャーファクトリー」は、その事業内容と同様に、組織・人材面でもいくつかのユニークな仕組みを導入している。循環式人材育成、MVP店舗表彰、オリジナル社員手帳。社員のモティベーションを高めるさまざまな工夫について、野坂社長が語った。

「気づき」から「形にする」までを繰り返す

野坂英吾氏
株式会社トレジャーファクトリー代表取締役社長 野坂英吾氏

 私たちのビジネスが接客業、サービス業である以上、その大きな軸になるのがやはり人材の育成であることは言うまでもありません。当社はリサイクル業という事業を通じて「循環型社会」を創る手助けをしたいという思いを強く持っていますが、同様に人材の育成に関しても独自に「トレジャーサイクル」という循環型のシステムを構築しました。

 社員がみなトレジャーサイクルの各項目を意識し、自分自身を振り返りながら日々の仕事を進めていくことで、仕事を通じて学習でき、自然と自分の頑張りが成果として表れるよう促していくとともに、上司との面談やフィードバック時の参考資料、人事評価の指針にもなっています。簡単に「トレジャーサイクル」の流れについてご説明しましょう。

 まず日常の業務やさまざまな情報の中で、何が現状の課題かを発見する「気づき力」を養うことが重要になります。そしてその気づきを形にするために課題解決の仮説シナリオを描く「組み立て力」。次に組み立てたものをそのままにせず、すぐに行動する「すぐやる力」と繋がっていきます。さらに仲間とともに実現する「共に働く力」、計画に対する進捗を確認し、成功要因、失敗要因をとらえて学習する「振り返り力」、その振り返り反省したことを踏まえて、手順を仕組みにまで高めるための「形にする力」と発展し、そしてそこでまたあらためて新たな課題に気づき、対策を組み立てる、というように繋がっていきます。