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【徳島県】よく学びよく働き
年に1度の阿波踊りで発散

都道府県データ:Vol.27

 徳島県は県域の東・南側が太平洋に面しているのに加え、四国最長の吉野川が中央部を東西に貫くように流れている。日頃から大海・大河に接しながら暮らしている人々には、のどかというか、開放的で明るい気質が培われる。また、諦めが早いというのも特徴である。徳島県(旧阿波国)人も元来はそうであった。

 「であった」というのにはワケがある。温暖な気候も手伝い、かつてこの地の人々は、仕事をするのは遊ぶ=楽しい時間を過ごすためという生き方をしていた。より充実した状態で仕事をするために休日はゆっくりしたいという考え方をしがちな、多くの日本人とは逆である。

 それが戦国時代の終わり、豊臣秀吉が有力家臣・蜂須賀小六の長男(家政)をこの地の支配者として送り込んだことで大きな変質を余儀なくされた。蜂須賀氏は秀吉と同じく、旧尾張国(愛知県)の出身。尾張人は今でもそうだが、なによりも勤倹を旨とし、額に汗して働き、非常時に備えて蓄えを増やすことを重視する生活スタイルを基本とする。蜂須賀氏も当然のように、それに基づいた施策を行った。

秀吉らしい発想が徳島の地で現実に

 だが、それと真逆な考え方に立つ阿波の領民たちはストレスをためる。そこで、家政が徳島城を築城し、お祝い気分で盛り上がっているタイミングを利用し、人々は勇を鼓してそうした心情を訴えた。1年のほんの数日でいいから、そうした憂さを思い切り晴らす機会が欲しいと──。それを聞いた家政は、現在のお盆の時期に思い切り羽を伸ばすことを快く認め、それによって生まれたのが阿波踊りだというのである。事実だとすれば、遊びと仕事のメリハリをつける、いかにも秀吉らしい発想が徳島の地で現実となったといえる。

 実際、普段はよく学びよく働き、お金もコツコツ貯める暮らし方が今の徳島県人の特徴である。また、徳島県は全国でも有数の貯蓄高を誇っている。でも、根っこの部分では鷹揚だし、細かなことにもあまりこだわらない。尾張とのつながりを持ち出すかどうかはともかく、そうした部分を賞賛してあげると喜んでくれそうだ。


◆徳島県データ◆県庁所在地:徳島市/飯泉嘉門県知事:/人口:78万8824人(H21年)/面積:4146平方キロメートル/農業産出額:1025億円(H19年)/県の木:やまもも/県の花:すだちの花/県の鳥:しらさぎ

<次回は「栃木県」を紹介します>

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著者プロフィール

岩中祥史
(出版プロデューサー)

1950年、愛知県生まれ。東京大学文学部卒。出版社に勤務後、独立して編集企画会社エディットハウスを設立し、現在、代表取締役。著書に、最新刊『札幌学』(新潮文庫)、『北海道から沖縄まで 日本全国「よいしょ」のツボ』(祥伝社新書)、『出身県でわかる人の性格』(共著、草思社)、『名古屋学』『博多学』(新潮文庫)などがある。各県の気質を調査した、現代県民性評論の第一人者。

この連載について

各都道府県民に共通する特長や意外な一面を、文化や歴史に基づきわかりやすく解説。各県民の性格を知れば、ビジネス上のコミュニケーションもきっとうまくいく!

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