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ソーシャルウェブ革命の衝撃

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消費財メーカー・P&Gの大躍進を支える
“社員を巻き込む”ソーシャルウェブ革命

 米国海軍、ハーバードビジネススクールの後、1977年にプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)のマーケティング部門に入り、2000年に最高経営責任者、2002年に会長兼務となったアラン G.ラフレイ。彼は、新たなビジョンのもとに世界最大の家庭用消費財メーカーP&Gを建て直し、革新させた名経営者だ。

 ちなみに、P&Gの業績は、(簡素化のため$1=100円とする)2001年度売上3兆9224億円、当期利益2612億円から2007年度には売上7兆6476億円、当期利益1兆340億円へと大きく改善している。売上高が1千億円以上のブランド数はこの間、約2倍の23にまで増えている。

 この躍進の理由を考えるとき、なにより注目すべきは消費者理解とイノベーションの二分野における同社の創意工夫であろう。特にコネクト・アンド・デベロップという戦略は、大きな役割を果たした。これは、社内外とのコネクションを活用して、想定を越えた技術を開発することでイノベーションを起こそうというアプローチだ。社外(顧客やパートナーなど)発の要素を持つ新製品を2000年の15%から50%に増やすという目標を掲げている。

 いうまでもなく、その戦略の鍵はコミュニケーションである。

女の子による女の子のための
サイトで一日250万アクセス

 P&Gの消費者理解への取り組みは、多岐にわたる。伝統的な市場調査だけでなく、ユーザーを徹底的に観察するなど先進的な手法にも投資をしてきたが、もちろん、重視しているのはソーシャル・ウェブによる消費者とのコミュニケーションだ。

 これは消費者理解を中心としつつも、コミュニケーションによる消費者との新たな関係づくりを意識している。P&Gで特筆されるのは、将来への投資として腰を据えて長期的に顧客コミュニケーションに取り組んでいる点だ。

 P&Gは2001年に「女のコによる女のコのため」のティーン向けコミュニティ・サイトBeingGirlを立ち上げた。このサイトはいまや世界約30カ国で一日に250万人ものアクセスを記録している(日本は昨年10月オープン)。

 体や心に関する疑問について理解を深められ、美容やファッションなどのコンテンツも充実している。心理学者や産婦人科医など専門家に悩みの相談もでき、初潮についての相談などもみられる。他のティーンと意見交換が出来る掲示板もむろん用意されている。

 例えば、Laugh out loud(爆笑)セクションには、(スノーボードについて話していた)ボーイフレンドから“Have you ever done it?”(経験ある?)と聞かれて、セックスのことかと勘違いしてトンチンカンな答えをした話などが、書き込まれている。このように、多感な10代の女子が体や異性の悩みについてコミュニケーションしているのだ。

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著者プロフィール

本荘修二
(新事業コンサルタント)

早稲田大学学術博士。ボストン・コンサルティング・グループ、米CSC、CSK会長付、ジェネラルアトランティック日本代表を経て、現在は本荘事務所代表。多摩大学客員教授、経済産業省・産業構造審議会情報サービス・ソフトウェア小委員会委員でもある。

この連載について

ブログやSNSなどの台頭が、顧客サービスのあり方を変える。勝ち残る経営モデルとは? 気鋭のコンサルタントが「ソーシャルウェブ革命」の行方を解き明かします。

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