「勝者のゲーム」と資産運用入門

GAFAMを筆頭に米国の主力ハイテク株は大幅下落。
一方、日本のバリュー株は非常に好調。
失敗を他人のせいにする投資家は生き残れない!太田忠の勝者のポートフォリオ 第32回

2022年5月18日公開(2022年5月18日更新)
太田 忠
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米国の主力ハイテク株が総崩れとなり、GAFAMの時価総額の25%が消失

 昨今の株式市場の急落で、私のことを心配する声もちらほらあるようだが、非常にうまくいっており、私はますます元気である。皆さんこそ、お元気ですか!?まさか往復ビンタを食らっていないでしょうね?(笑)

 さて、ゴールデンウィークもすっかり終わって、先週から本格的に仕事を再始動。来月よりまたまた新たな仕事のスタートが決まり、ますます忙しい状況にある。それにしても先週のマーケットは凄かった。特に米国市場が凄かった。私がパーソナリティーを務めているFM軽井沢の『軽井沢発!太田忠の経済・金融“縦横無尽”』でも話題に取り上げたが、米国の主力ハイテク株が総崩れとなり、GAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)の時価総額は2021年末ピーク時の約10兆ドル(1300兆円)から2.8兆ドル(約360兆円)減少して7.4兆ドル(960兆円)となり、25%もの価値が失われた。

ナスダック指数も年初3割安。金融正常化による割高感と成長性に陰り?

 ひと頃は、わずかこの5社の時価総額の合計が東証一部全体の時価総額を抜いたと話題になった。「日本株などもうダメだ、やっぱり米国株しかない!」と日本株を蔑み米国株を崇拝する雰囲気さえ漂っていたが、それが今やどうだ。大変なことになっている。

 時価総額で世界トップのアップルは高値からあっという間に2割も下げ、首位の座をサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコに明け渡した。アップルは、中国のロックダウンの影響で生産を委託している中国工場が操業停止に追い込まれ、2022年4~6月期決算は1兆円もの減収要因。またアマゾンの2022年1~3月期決算は、売上高の伸びが前期比で+7%にとどまり過去10年で最低。しかも営業利益が59%減、純利益は38億ドルの赤字となり、株価は高値から約4割安だ。

 このGAFAMが象徴するハイテク株が主力のナスダック指数は年初から27%安となった(5月12日時点)。ただでさえ金融正常化で割高感が意識されるのがグロース株なのに、その肝心の成長性に「?」が付いたのでは暴落するのは当たり前だ。

日本株を見切り、米国株レバレッジ型ETFに乗り換えた投資家の末路は?

 「日本株などもうダメだ、やっぱり米国株しかない!」と言っていた人たちが飛びついたのがQLD、TQQQ、SPXLなどの通常の2倍、3倍のレバレッジ型ETFやレバナスなどのレバレッジ型投資信託である。「早く金持ちになりたい!」「出遅れてしまった上昇相場に乗り遅れまい」という焦りの気持ちがあるため、通常のインデックスファンドでは物足りない。はやり2倍、3倍のスピードが必要だからね。

 そして…。パフォーマンスはあっという間に半値以下になった。壊滅的である。大きな含み損で頭を抱える者、そして多数のマーケットからの撤退者も出ているようだ。

 さて、そのダメダメの日本株、しかも「日本よ、さようなら~」の人たちが見向きもしないであろう、つまらないバリュー株は非常に好調だ。私が投資助言をおこなっている『勝者のポートフォリオ』はその恩恵を目一杯受けてこれまでも順調だったが、4月からの積極的運用に転換後の手ごたえは十分だ。勝者のポートフォリオでももちろん米国株も推奨できるが、昨年10月の開始時から一度たりとも見向きもしていない。割高のヤバヤバ領域だからだ。今年は日本のバリュー株が極めて高いパフォーマンスを発揮すると考えている。

失敗を他人のせいする人間は投資の世界で生き残れない

 ところで、SNSで話題となっているのが厚切りジェイソンさんだ。『ジェイソン流お金の増やし方』(ぴあ)という書籍が大ヒット。「長期的分散投資で米国株へ投資しよう」という至極真っ当な内容にもかかわらず、「お前のせいで大損した!」「何が米国株だ!」という批判が彼のツイッターに殺到したらしい。ツイートがすべて削除され、本人曰く「SNSが嫌になった」と。

 ジェイソンさんを批判した人達はバカげている。お門違いも甚だしい。そういうヤツらは投資の本質について全く理解しておらず、自己責任のひとかけらもないどうしようもない連中だ。自分の失敗を他人のせいにするような人間は投資の世界ではあっという間に沈んでいく。「時間的分散投資は下落相場こそ、将来の利益の源泉になる」と、長期分散投資の基本的な考え方は第24回のコラムで書いたので参考にしていただきたい。

 「無責任さん、さようなら~」

●太田 忠

DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。プロが評価したトップオブトップのアナリスト&ファンドマネジャー。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもメルマガ配信などで活躍。

 

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