マンションを高く売る方法[2018年]
2017年12月4日公開(2018年7月10日更新)
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ザイ・オンライン編集部

「旧耐震」「事故物件」「狭小物件」「1階部屋」など、売りにくいマンションの相場は?
不動産のプロが不人気物件の売却法を解説

「旧耐震マンション」「1階部屋」「事故物件」「管理が悪いマンション」「狭小マンション」「名義人が認知症」など、売りにくいと言われるマンションは本当に売りにくいのだろうか。また、相場はいくらぐらいなのだろうか。不動産取引のプロに、不人気マンション売却のための傾向と対策を聞いてみた。

 「どんなマンションでも買い手はいますよ。当社で必ず良い買い手を見つけます!」と不動産仲介会社は言うけれど、調子が良すぎてなんだか不安を覚えることも多い。マンション売却の味方となる不動産会社はこうした物件についてどう感じており、売却するためにはどう対処すればいいのかを、6タイプに分けて紹介しよう。

(1)旧耐震マンション
(2)1階部屋
(3)事故物件
(4)管理が悪いマンション
(5)40㎡以下の狭小マンション
(6)名義人が認知症

 最初に理解しておきたいのは、売りにくいマンションはあっても、売れないマンションはないということだ。

 「売却したいマンションに人気があろうとなかろうと、買い手は一人です。一人を見つければ大丈夫」。FFP不動産コンサルタントの藤本元純代表は語る。

 マンションを売却する際に不利になる条件はあれども、一部を除いて対処法はあるということだ。条件に応じてそれぞれ対策を見つければマンション売却は可能だという。ではタイプ別に売却方法を解説していこう。

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1982年までに完成した物件は「旧耐震」
立地がよければ、値下げして売却可能

 まず、売却に不利な条件としてあげられる(1)旧耐震についてはどうだろうか。

 不動産仲介会社によると、売却予定のマンションが「新耐震」か「旧耐震」かの違いは、やはりかなり大きい。

 「旧耐震」とは、1981年5月31日までの建築確認において適用されていた耐震基準を指す。建築確認から、実際に完成、売り出しまでの期間を考えると、一般には1982年までに建てられたマンションが「旧耐震」に該当することが多い。

 当然だが、古い耐震基準になるので、銀行からの建物に対する評価が低くなる。つまり、買い手が現れたとしても、その買い手に対して銀行が融資をしない可能性がある。そうなると、そのマンションは高値で売却することは難しい。旧耐震マンションの売却で、値下げを余儀なくされるケースが多くなる理由だ。

 また、賃貸に転用する目的でマンションを探している外国人投資家は、旧耐震マンションは買わない傾向が強く、その分だけ売却の機会も少なくなる。先の理由と合わせて「旧耐震は売れない」と世間で言われる背景だ。

 この旧耐震だが、中古不動産を扱う不動産会社によると「確かに売りにくいが、立地が良ければ問題ない」というのが不動産業界で共通の評価だ。「立地や広さに加えて、予算内で買えるかどうかを優先してマンション探しをする人も多い。値ごろ感を前面に出せば売れると思います」(都内の不動産会社)。つまり、ある程度値下げすれば、売却は可能ということだ。

 また、よくある誤解だが、1982年以前に建築されたマンションの中でも、充分な耐震強度を備えているマンションもある。1970年代に建てられた「赤坂パークハウス」や「イースタンホームズ南平台」など、ビンテージマンションと呼ばれるものの多くが、これにあたるとされ、中には新築時よりも高値で取引されるものも少なくない。

 旧耐震に分類されるマンションの中でも耐震強度はまちまちで、構造や形によって地震時の倒壊リスクは変わる。旧耐震基準のマンションを所有しているからと言って、それだけで悲観する必要はないのである。

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意外に人気の「1階部屋」
高齢夫婦や、子育て世代にニーズあり

 では、防犯性などの点から不人気とされる(2)1階の部屋はどうだろうか。驚いたことに複数の不動産会社やコンサルタントが口をそろえて「まったく問題ない」と答える。

 不動産コンサルタント事務所・TRコンサルティングの鈴木唯人代表は語る。

 「1階の部屋を探している人は、いつも一定数います。最近だと、郊外の一軒家を売って便利な場所に引っ越してくる高齢夫婦が多い。帰ってきてスッと部屋に入れる1階は重宝するようです」。確かに買い物袋を抱えてエレベーターに乗り込むのは、お年寄りには手間だ。都心回帰を望む高齢者に、1階を好む人が多いのは、うなずける話だ。

 他にこんな証言もあった。「男のお子さんが2人いらっしゃるご家庭で1階の部屋をお探しの方がいました。どうやら子どもさんが元気すぎるようで(笑)。前のマンションでは階下のご家庭と騒音トラブルになってしまったため、引っ越し先は絶対に1階と決めていたそうです」(都内の不動産会社)

 その他にも「以前、エレベーター内で不審な男に声をかけられた経験がトラウマになったという女性がいましたね。なるべくならエレベーターに乗りたくないということで、1階か階段でのぼれる低層階のマンションを探されていました」(都内の不動産会社)

 なるほど、理由はさまざまだが1階のマンションに対する需要が一定数あるのは間違いないようだ。

 それよりも多かったのは、1階部屋に付随する専用庭に対する需要だろう。マンション住まいでありながら、庭付きの暮らしに憧れる人たちは、実はかなり多いのだという。1階だからといって売れないマンションだと決めつける必要は全く無さそうだ。

事故物件は外国人投資家に売却
「リフォームして賃貸」が定番

 では、何らかの原因で居室内で人が死亡したことがある、心理的瑕疵を持つマンション、いわゆる(3)事故物件はどうだろうか。死亡理由にもよるが、やはり通常の手法で買い手を探すのは難しくなる。

 「事故物件を好んで買う人はまずいません。また、売却するときは、事故があったマンションであることを、基本的には告知しなければいけないことになっています。相場から、かなりの減額をしないと売れないですね」(都内の不動産会社)

 死亡時の状況や、立地などその他の条件にも影響されるが、相場から2~3割ほどの減額は避けられないという声が多い。

 告知義務が発生するのは、殺人や自殺といった悲惨なものだけではない。たとえば、いま増えている「孤独死」のケースでも告知義務が発生するとされている。一般には死後、発見されないまま3日経つと事故物件として告知義務が発生するといわれているが、実はこの説に法的な根拠は乏しい。どこから告知するかは、意見がかなりわかれるところだ。

 しかし、売却から数年経ってから告知しなかったことを訴えられた売主もいる。後でトラブルにならないためにも、可能な限りの情報を告知するのが得策といえるだろう。

 では、どうやって売るのか。冒頭に登場したFFP不動産コンサルティングの藤本元純代表は、こんな売却方法を提案する。

 「ある程度、割り切ってマンション買い取り業者に買ってもらうのがいいと思います。業者はリフォームなどをして、外国人投資家に販売するケースが多い。そこから賃貸物件として運用するようです」

 事故物件への心理的嫌悪が少ない外国人投資家が買い、短期間なら気にしないという賃貸入居者が利用する。このように利用価値がある以上は、買い手を探すことができる。相場からの減額は避けられないが、希望する販売価格になるように近づけるには、粘り強く交渉をするべきだろう。

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不動産仲介会社が嫌がる1位は
ズバリ、「管理状態が悪いマンション」

 では、専門家でも売却に手こずるマンションはあるのだろうか。多くの不動産会社が口をそろえるのは(4)管理状態が悪いマンションだ。

 「玄関ポストやゴミ捨て場といった、共用部の中でも特に目がつく場所が荒れているマンションでは、売主様や仲介会社で対処できることはありません。相場よりも減額したうえで、時間をかけて売れるのを待つしかないでしょうね」(都内の不動産会社)

 管理がずさんなマンションであれば、大規模修繕などが定期的に行われておらず、雨漏りや鉄部のさび、外壁タイルの落下などが発生している可能性がある。定期的な清掃、収税をしておかないと建物の痛みは加速するのが鉄則だ。また、そうした物件だと、管理費を滞納している住人が多いかもしれない。

 中古マンションだからこそ、「マンションは管理を買え」の原則が徹底される。残念だが、対処法は売り出し価格を減額する以外には、なさそうだ。

融資がおりにくい「狭小マンション」
「名義人が認知症」の物件も売却は困難

 その他に売却が難しいとされる物件はあるのだろうか。

 専門家の声で多かったのは、(5)40㎡以下の狭小マンションだ。40㎡以下の物件には住宅ローンを適用しない銀行・金融機関があるため、買い手がつきにくく、売りづらくなるからだ。民間の金融機関は、保証会社の審査が厳しいため、ローンが付きにくいのだ。

 そこで頼りになるのが、フラット35だ。フラット35では、面積の基準が緩く、30㎡以上で住宅ローンを適用する。不動産仲介会社がこうした銀行の事情を知らなければ、フラット35を紹介するのがいいだろう。ただし、フラット35で低い金利が適用されるには、買い手は少なくとも1割以上の頭金を用意しなければならないため、それほど簡単に売れるわけでもないので注意が必要だ。

 次に多かったのは、(6)名義人が高齢者で認知症傾向があるケースだ。

 「マンション名義人の息子さんから売却相談をいただいたのですが、名義人ご本人の売却意思がはっきりしないケースがありました。これでは、もう成年後見人を付ける以外にアドバイスできることはありません」(FFP不動産コンサルティング・藤本代表)

 確かに、本人の意思がわからなければ後にトラブルになる可能性もあるため、不動産仲介会社は動けない。相続対策等で不動産を処分する必要があるなら、健康なうちに家族で話し合うしかない。

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どんな物件も対策法は必ずある
高値で売るには行動あるのみ

 ここまで売りにくいマンションの特徴と理由、対策法を考えてきた。しかし、マンション売却を前に案じてばかりいてもしょうがない。冒頭の藤本代表の言葉の通り、買い手はたった一人でもかまわない。できるだけ高値で売るには、積極的な行動あるのみだ。

 以下は、部件タイプ別の特徴と対策をまとめたものだ。参考にしよう。

  • (1)旧耐震マンションは立地が良ければ売却可能
  • (2)1階部屋は、都心回帰の高齢者を狙え。また子連れファミリーにもニーズあり
  • (3)事故物件は買い取り業者と外国人投資家をターゲットに売却しよう
  • (4)管理が悪い、スラム化マンションは対処法なし
  • (5)30~40㎡の狭小マンションは、フラット35のローンが利用可能
  • (6)名義人が認知症になったら後見人をつけないと売却不能

 なお、実際に売却する際は、複数の不動産会社に査定を依頼して、じっくりと相場を把握し、焦らずに販売していくのがいいだろう。

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<不動産売却の基礎編>
相場を知るために、まずは「一括査定」を活用!

 不動産の売却に先駆けて、まずは相場を知っておきたいという人は多いが、それには多数の不動産会社に査定をしてもらうのがいい。

 そのために便利なのが「不動産一括査定サイト」だ。一括査定サイトで売却する予定の不動産情報と個人情報を入力すれば、最大6社程度から査定してもらうことができる。不動産の相場観が分かるだけでなく、きちんと売却してくれるパートナーである不動産会社を見つけられる可能性が高まるだろう。

 ただし、査定価格が高いからという理由だけでその不動産会社を信用しないほうがいい。契約を取りたいがために、無理な高値を提示する不動産会社が増加している。

 「大手に頼んでおけば安心」という人も多いが、不動産業界は大手企業であっても、売り手を無視した手数料稼ぎ(これを囲い込みという)に走りがちな企業がある。

 なので、一括査定で複数の不動産会社と接触したら、査定価格ばかりを見るのではなく、「売り手の話を聞いてくれて誠実な対応をしているか」、「価格の根拠をきちんと話せるか」、「売却に向けたシナリオを話せるか」といったポイントをチェックするのがいいだろう。

 以下が主な「不動産一括査定サイト」なので上手に活用しよう。

■相場を知るのに、おすすめの「不動産一括査定サイト」はこちら!
◆HOME4U(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
掲載する不動産会社数 900社 不動産一括査定サイト「HOME4U」の公式サイトはこちら
サービス開始 2001年
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証一部子会社)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、日本初の一括査定サービスであり、運営会社はNTTデータグループで安心感がある点。弱点は、提携会社数がやや少なめであること。
HOME4U公式サイトはこちら
◆イエウール(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1400社以上 不動産一括査定サイト「イエウール」の公式サイトはこちら
サービス開始 2014年
運営会社 Speee
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、掲載する会社数が多く、掲載企業の一覧も掲載しており、各社のアピールポイントなども見られる点弱点は、サービスを開始してまだ日が浅い点。
イエウール公式サイトはこちら
◆LIFULL HOME'S(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
掲載する不動産会社数 1692社(2018年8月)
サービス開始 2008年
運営会社 LIFULL(東証一部)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】強みは、匿名査定も可能で安心であるほか、日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」が運営している点弱点は大手の不動産仲介会社が多くはないこと。
LIFULL HOME'S公式サイトはこちら
◆スマイスター(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫
掲載する不動産会社数 1400社 不動産一括査定サイト「スマイスター」の公式サイトはこちら
サービス開始 2006年
運営会社 リビン・テクノロジーズ
紹介会社数 最大6社(売却6社、賃貸、買取)
【ポイント】強みは、掲載している不動産仲介会社数が多く、マンション、戸建て、土地以外の工場、倉庫、農地も取り扱いがある点。弱点は、運営会社が広告代理店で上場していないこと。
スマイスター公式サイトはこちら
◆イエイ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1000社 不動産一括査定サイト「イエイ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2007年
運営会社 セカイエ
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、サービス開始から10年以上という実績があるほか、対象となる不動産の種類も多い。「お断り代行」という他社にないサービスもある。弱点は、経営母体の規模が小さいこと。
イエイ公式サイトはこちら
◆マンションナビ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション
掲載する不動産会社数 900社超、2500店舗 不動産一括査定サイト「マンションナビ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2011年
運営会社 マンションリサーチ
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
【ポイント】 強みは、マンションに特化しており、マンション売却査定は6社まで、賃貸に出す場合の査定3社まで対応している点。弱点は、比較的サービス開始から日が浅く、取扱い物件がマンションしかない点。
マンションナビ公式サイトはこちら
Special topics pr


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