ついに、日経平均株価が2万3000円台を回復しました。
5月21日の日経平均株価は、前週末比72.01円高の2万3002.37円と、2月2日以来およそ3カ月半ぶりに大台を回復しました。また、21日のNYダウも、前週末比298.20ドル高の2万5013.29ドルと、およそ2カ月ぶりに2万5000ドル台を回復しました。
日経平均株価チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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日米株式市場が上昇した主因は、前週末にかけて開かれた米中の貿易協議で、中国が米国製品の輸入を増やし、双方が追加関税の発動を保留することとなったため、米中貿易摩擦への懸念が後退したからです。
また、日本については、ドル高・円安も追い風になっています。実際、5月21日正午すぎに1ドル=111円12銭付近と、1月23日以来、約4カ月ぶりの安値を付けました。ル高の主因は、米長期金利の上昇基調です。5月21日の米10年物国債利回りは前週末比0.01%高の3.06%と、3%大台を超えています。
そして、最近の原油先物高が物価上昇圧力となり、「米長期金利上昇・ドル高の構図」が長期化する可能性が高まっています。これは、我が国の主力の輸出関連企業の収益に極めてポジティブな状況です。
円安により、外国人の先物買いが加速
企業業績の上ブレにも期待できる
このような状況を背景に、外国人投資家の先物買いが継続しています。5月第2週(7日~11日)の日経平均先物とTOPIX先物の投資部門別売買動向では、外国人は6週連続で買い越しました。
ちなみに、「アベノミクス開始以降、円相場が1ドル=111円の場面では、外国人は現物と先物合計で15兆円程度の買いの持ち高になっており、足元の買いの持ち高が10兆円弱にとどまっていることから、まだ買い持ち高を積み増す余地が十分ある」との見方もあるそうです。
また、「日本企業の2019年3月期の前提為替レートはかなり保守的であり、1ドル=111円台の円安を考慮すると、最終的な企業業績は10%程度の増益で落ち着く」との見方もあるようです。
円安を追い風に、外国人の先物買いが加速し、且つ、企業業績の上振れ期待が今後高まるようなら、日経平均株価の上値余地は拡大するでしょう。
加計学園問題と米朝問題の悪化が
市場にとってのリスク要因に
ただし、日本の政局と、米朝問題は相場の撹乱要因です。
国内政治については、2015年2月に加計学園の加計孝太郎理事長が安倍晋三首相と面談し、獣医学部新設について説明したとの記述がある新たな文書を、愛媛県が参院事務局に提出したと、21日発表されました。
これに関しては、安倍晋三首相は5月22日朝、「ご指摘の日に加計理事長と会ったことはない。念のため、昨日、官邸の記録を調べたが、確認できなかった」と説明しました。しかしながら、この問題は再び国会で争点になるのは避けられない情勢です。
一方、米朝問題に関しては、「ペンス米副大統領が5月21日、北朝鮮の出方次第ではトランプ米大統領が来月予定する米朝首脳会談を取りやめる用意がある、との認識を示した」と報じられています。なお、トランプ米大統領と韓国の文在寅大統領が5月22日、ホワイトハウスで会談します。
ただし、米政府内には、北朝鮮の非核化への意思が真剣なのか懐疑的な見方が広がりつつあるそうです。このため、6月12日に予定する米朝首脳会談が本当に開催されるのか否か、事態はやや流動的です。万が一、これが開催されないということになると、国際情勢はもちろん、日本株にもネガティブな材料です。
そうこう考えると、国内政局が一段と混迷したり、米朝会談がご破算にならない限り、日経平均株価は上を目指すでしょう。テクニカル的には、日経平均株価は25日移動平均線(5月21日現在2万239184円)を強力にサポートにして推移するとみています。
長らくくすぶっていた小型株にも
投資資金が戻ってくる兆しが
ところで、心配していた新興市場を中心とした小型株ですが、ここにきてようやく明るさが戻りつつあります。
例えば、5月22日前場、日経ジャスダック平均株価が一時4000円の節目を上回りました。ザラ場中としては4月6日以来およそ1カ月半ぶりのことです。2018年3月期決算の発表が一巡し、決算リスクが消滅したことで、個人投資家の買い意欲が戻りつつある証左でしょう。
日経ジャスダック平均株価チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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また、5月21日まで東証マザーズ指数も3日続伸しました。
東証マザーズ指数チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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マザーズでは、4月20日上場のHEROZ(4382)が4日続伸しました。この銘柄は上場3日目に公開価格4500円の10.89倍の4万9000円で初値を付けました。これはIPO史上最高の上昇率でした。
しかし、同日4万9650円の上場来高値を付けた後、ナイアガラ状態に陥り、5月11日には1万9880円まで売り叩かれました。高値からの下落幅は2万9770円、下落率は59.96%に達しました。この過程で、(知り合いから教えてもらった)私の同社の銘柄コードの暗記法は「資産パー(しさんパーに)」となりました。
HEROZ(4382)チャート/日足・1カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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ですが、HEROZの株価は1万9880円で底打ちし、5月21日には2万4770円を一時付けるくらいもどりました。同社のような人気銘柄の底打ちは、新興市場全体のセンチメントの回復にプラスに寄与したことでしょう。
そんなこともあり、5月21日のマザーズの売買代金は1136.66億円と、活況の目安となる1000億円を超えてきました。資金がマザーズに戻っています。これは極めてポジティブな流れです。
小型株でも値幅取りが期待できる相場に
ただし当面は「1番手銘柄」のみを売買するのが吉
大型株に比べて出遅れていた新興市場を中心とした小型株の出遅れ修正が今後実現するようなら、個人投資家の相場の体感温度は上昇してくるはずです。同時に、活性度も上がるはずです。
ただし、現時点においては、本格的に盛り上がっているわけではないので、資金が集中(人気化)している銘柄だけを弄るようにしましょう。
つまり、1番手銘柄だけを売買対象にして、出遅れの2番手、3番手は無視しましょう。なぜなら、本格的に資金が流入しているわけではないので、物色が1番手だけで終わり、2番手、3番手に順番が回ってこないリスクが大きいからです。
また、信用買い残が高水準で、株価が25日移動平均線を下回っているような需給の悪い銘柄もアンタッチャブルです。
いずれにせよ、小型株で値幅取りが期待できる状況になったため、積極的な市場参加が「吉」でしょう。
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