女性活躍と健康を軸とした
“働き方改革”を推進

阪和興業
川口敏弘執行役員

 商社として海外との取引が多く、時差や事務取引などのペーパーワークも多いことから、どうしても過重労働になりがちだが、同社では今“働き方改革”に力を入れている。

 長時間労働の是正や有給休暇の奨励、在宅勤務や勤務時間制度の柔軟化、RPAなどのIT技術を活用したルーティンワークの自動化などを推進し、労働生産性を高める取り組みを行っている。その中でも特に、女性が働きやすい職場環境の構築に力を入れている。

「当社では一般事務職の女性でも、“前線”で交渉する権限委譲を行うなど、総合職に近い役割を与えています。試験に合格すれば、一般職から総合職へ職群転換ができる制度もある。またグループ企業の拡大でコーポレート部門の業務も増えているほか、生え抜きの女性管理職を輩出するため、母集団としての総合職を増やしたい思惑もあります。女性の活躍は必須であり、そのための環境を整えているのです」

 そう説明するのは人事・総務担当の川口敏弘執行役員。具体的に育児休業や時短勤務などの制度を充実させている。職場に復帰する環境も整えられていて「出産や育児で会社を辞める社員はいない」(川口執行役員)という。

 さらに今年4月には「阪和興業健康経営宣言」を制定、健康経営をスタートした。社員一人一人が職場で最大限のパフォーマンスを発揮するためには、心身共に健康であることが不可欠。健康管理を社員自身に委ねるのではなく、社員と家族の健康管理を経営課題として真摯に捉え、疾病予防や健康推進政策を戦略的に行っていく考えだ。


※「RPA」……Robotic Process Automation:ロボットによる業務自動化

 

「阪和興業健康経営宣言」とは?

 創業者の北二郎は「商社は人なり」を信条として「企業の繁栄と社員の幸福は車の両輪である」という理念の下、人づくりと良好な職場環境の構築に取り組んだ。今回の健康経営宣言はその理念に基づいたもの。
「社員の健康管理を経営的な視点で捉え、会社・社員・健康組合が一体となり、社員およびその家族の健康増進に務めます」としている。阪和興業古川弘成社長自らが「最高健康責任者Chief Health Officer」に就任している。