• 隠れ弱気市場あるいはローリング・ベア市場
本誌:この1カ月は相場が荒れたが、強気市場は終わったのか?
ソンダース氏:過去1年の多くは隠れ弱気市場に既に入っていた。順繰りに部分的に進んでいくのでローリング・ベア市場とも言われている。S&P500指数全体が弱気相場入りしたわけではないが、S&P500指数構成銘柄の50%近くが20%以上下落している。景気後退は一般の考えよりも早期に到来するとわれわれは思っているが、弱気市場の様相は一斉に急落するのではなく、順繰りに進行していく可能性がある。
Q:今年は隠れ場所もなかったが、分散投資が役立つのはいつか?
A:金融危機以降の未曾有の規模の協調的な流動性注入により、資産クラス間や資産クラス内での相関関係が高まった。しかし、この環境は終わろうとしている。今後は各国経済の健全度に応じて金融政策が異なった道筋を取る。従って、各国経済や各市場の動きにばらつきが出て来るはずで、その結果、分散化が再び有効になるだろう。来年はボラティリティが一層高まると予想している。
Q:米国企業の利益成長率の見通しは?
A:プラス成長がいつまでも続くとは思っていない。原油価格の反騰あるいは大幅なドル安にでもならない限り、2019年のコンセンサス利益成長率予想である6~8%は高過ぎると思う。輸出や設備投資に関連した産業では利益成長率がマイナス圏に陥る可能性があるし、株価にそのリスクは織り込まれていない。
Q:トータルリターンは有望ではなさそうだが。
A:2018年年初のテーマは「時間がもう遅い」、すなわちボラティリティの高まりや、相場下落回数の増加、ディフェンシブなポジションへの移行の時代に入ったということだった。今や時計が一層進んだ。5000億ドルの物品への25%の関税実施がなければ2019年の景気後退はないと思うが、貿易戦争がエスカレートした場合、アニマルスピリットが削がれ、センチメントも経済指標同様に悪化する可能性がある。
Q:経済指標についてどう思うか?
A:主要指標に注目すべき悪化が見られる。投資家はデータの水準を見がちで、失業率や失業保険申請件数は依然として低いため、景気後退リスクがあるとは考えにくい。しかし、市場は微妙な変化に気付く。良いとか悪いではなく、改善したか悪化したか、変化の方が重要だ。



