欧州危機は、「4つの同盟」完成まで収束せず
ユーロ安は続き、日本株も上がらない!

【第16回】2012年7月30日公開(2012年8月3日更新)
藤井 英敏

4つの同盟が成立した時点で欧州危機はようやく終わる

 結論として、欧州では今後も危機をマッチポンプ的に発生させ、最終的に「財政同盟」「銀行同盟」「経済同盟」「政治同盟」の4つの同盟を成立させることに利用する可能性が高いのです。

 つまり、欧州は危機を自らわざわざ発生させ、その危機をそれぞれ沈静化させる過程で、ユーロの制度的欠陥である「政治統合なき通貨統合」の是正を行おうとしているのです。

 「銀行同盟」とは、域内の金融監督、預金保険制度、金融危機管理基金を一本化する仕組みです。つまり、ECBは欧州連合の中央銀行としての役割を担いたいのです。このため各国中央銀行が邪魔な存在なのです。

 「財政同盟」は、政府の予算運営を一体化することです。危機のたびに財政弱小国の自由度は奪われていくことでしょう。

 「経済同盟」は、域内での経済政策の調整を一段と強めることです。

 そして、「政治同盟」は、加盟国議会の連携と欧州議会の権限をともに強め、経済・財政の共通政策を決める民主的な正当性を確保することです。

 これら4つの同盟が成立することが確実なった段階で、欧州統合(ヨーロッパ合衆国成立)のメドが立ち、ようやく、欧州債務危機は終息します。

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