【図】今の小学生はクラウドネイティブ世代その子どもが小中学生だったころを基準としておおむね10年ごとにくくれる世代。この変化の流れを適切にとらえておく必要がある 出所:ライフイズテック
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常時接続感覚の「クラウドネイティブ」世代

 まず前提としてお伝えしたいのは、令和時代の子どもたちを「デジタルネイティブ世代」と表現するのは、誤りだということです。今年38歳になる私でさえ、小さい時からゲーム機やワープロには触れているデジタルネイティブです。各世代のICTとの関わりは年代ごとに細分化して捉えないと、適切に理解できません。

 物心ついた時に○○があった状態を「○○ネイティブ」と表現するならば、それを世代分けしたのがこちらの図です。1980年代〜90年代に生まれ、ウィンドウズ95(1995)や初代Play Station(1994)の発売を身近に見て育ち、2000年前後にはパソコンやガラケー(フィーチャーフォン)を利用していた世代が、デジタルネイティブ世代です。

 このデジタルネイティブ世代と、現在の中高生にあたる2000年代生まれで、スマートフォン(iPhoneの日本での発売開始は2008年)を子どもの頃から触ってきたスマホネイティブの世代以降とでは、ICTに対する感覚がまったく異なります。それは、図中に赤い破線で示したように、インターネットネイティブであるか否かの違いです。

 その背景にあるのは移動通信システムの世代(G)の違いです。2000年代のデジタルネイティブ世代の時代には3G(第3世代)が日本でも普及していましたが、これが現在主流になっている4G(第4世代)に移行していったのが2010年代の「スマホネイティブ」の世代からです。インターネットをいつでもどこでも利用するようになっただけでなく、通信の高速化・大容量化により、動画などよりリッチなコンテンツをスマホでも楽しめるようになりました。

 そして、2010年以降に生まれた現在の小学生の世代は、「クラウドネイティブ世代」と呼べます。クライアント(パソコンや携帯などの端末)にアプリをインストールすることが当たり前だった2010年代までとは異なり、Googleの各種サービスやSNSなどクラウド上にあるアプリにスマホからアクセスして利用することが当たり前の時代に生まれ育っています。日本でも普及が始まった5G(第5世代)によって、この世代は今まで以上にネットに常時接続し、軽やかにクラウド上のサービスを使い分けていくことでしょう。

 ところが、あと20年ほどで2040年という今の段階で、学校の授業のスタイルは昔と比べてどれほど変わったでしょうか。2020年から、小学校のカリキュラムでプログラミングが必修となりました。そして、文科省はGIGAスクール構想を掲げ、教育現場へのパソコンやタブレットの配備、校内LANの敷設といった環境整備を一気に進めました。

 ただ、現状多くの小・中学校では、デジタル端末は使い方をごく一部の授業でのみ使用が許されているのが実態です。ましてや生徒が自分のスマホを授業中に利用するなどとんでもない、という考えがまだ大勢です。経済協力開発機構(OECD)の「生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)」でも、日本は国語・数学・理科の授業でのデジタル機器利用時間が、加盟79カ国・地域中最低という結果が出ています。

 とはいえ、学校でICTを使う機会が少ない一方で、自宅ではネットを使ってチャットやゲームを楽しんでいるのです。同調査でも、チャットやゲームの使用に限り、日本では学校外でデジタル機器を利用する子どもの割合が加盟国・地域の平均を上回っています。