「大学入試センター試験」に引き続き、「大学入学共通テスト」でも作問を担うのは、駒場にある独立行政法人大学入試センターである(東京都目黒区)

これから国公立大学は2次試験(前期日程)が始まる。今回、新型コロナウイルス禍を理由として唐突に2次試験を中止した国立大学も出てしまった。これは重大な問題である。また、初めて実施された大学入学共通テストに対する評価もさまざまになされている。新型コロナウイルスはここでも、教育界の“パンドラの箱”を次々に開け放とうとしている。教育ジャーナリストの後藤健夫さんと一緒に、2021年の国公立大学入試について考えてみよう。(ダイヤモンド社教育情報

>>第1回はこちら

国立大学2次試験中止の波紋

 以前、大学通信の安田賢治さんとの対談で、大学入学共通テストについて、私は1月30日・31日実施の第2日程を受験した方が有利だ、というお話をしました。あの対談の時点では第2日程の出願者数が718人だったのですが、その後増加して2439人となりました。

 この初めての大学入学共通テストに対しては、さまざまな評価がなされています。それについては後述します。まずは、国公立大学の2次試験に関して、新型コロナ禍を理由にそれを中止した大学が出たことについて考えてみます。

 2次試験(個別学力検査)は教育学部を除き実施せず、調査書と自己推薦書、共通テストの成績などで合否を判断すると、2020年8月に入学者選抜要項で公表したのは横浜国立大学でした。文部科学省に言われての取り組みとも聞きますが、驚くほど早い判断でした。大学側の覚悟を感じます。新型コロナ禍の影響により多少の学力の遅れがあったところで、入学後にフォローアップさせていくという心意気こそが、これまでの大学教育では感じにくいことでした。

 ただし、課題がないわけでもありません。入試の半年前の段階で明らかにしたことで、受験生も対応を考えることができます。では、どのようなことが2次試験の出願時に起きたのか。共通テストの成績を見て、2次試験で逆転したいという人は出願しません。これは横国大に限りませんが、共通テストだけで合否を判定すると、例えば微積分が得意で、数学で逆転するような素養のある受験生は出願しなくなります。

 このことは、大学の教育に大きな影響を与えかねません。理工系のようにセンスと学力の積み上げが求められる分野では、入学後に授業に追いつけずギブアップする学生も出てくる可能性があるからです。学内での転部を考慮してあげられると良いのですが、どうなるのかな。そうしたこともあるのでしょう、この対応は今年度限りとされています。