巨大匿名ネット掲示板にあふれる赤裸々な意見
では、実際に、コロナ禍でタイ人のライフスタイルはどう変わり、人々はどう感じているのでしょうか。それを分析するために、タイにある巨大な匿名ネット掲示板に蠢く赤裸々な意見のなかから、今回は比較的ポジティブなものを選択し紹介します。
【健康・習慣】コロナ禍をきっかけに健康になった
・エレベーターの行き先階は指で押すのではなく肘を使う
・風邪をひいて熱を出す人が少なくなった
・みんな清潔になった
・ストレスで痩せた
・病院の医者はコロナ感染者の治療だけに振り回されており、ほかの患者は迷惑を受けている
・病院で陽性の患者を受け入れないなら報道機関に連絡すればいい。そうすればすぐ受け入れるはず
【マスク】マスクもおしゃれに
・マスクはつくづく不便である
・大口で笑うデザインのマスクをする人が増えた
・マスクを首に吊り下げるストラップが大流行
・ラバーマスクがほしい
【社会・仕事】社会的責任を意識するようになる
・リモートワークの最中、休日でも毎日会社に検温結果を報告する義務が生じたが、2日報告するのを忘れたら、会社から「一週間会社に来なくていい」と言われた!
・個人主義のタイ人も社会的責任というものを意識するようになった
・せっかく戻ってきた客足がまた離れていく
・ソーシャルディスタンスはクールだね
【つながり・出会い】ひとの繋がりはオンラインを活用
・離れた家族とはオンラインでよく話すようになった
・家にいる時間が長いので家の中を掃除し、家庭菜園する
・Youtuberが増えた
・新しい男女の出会いの機会が減った。夫の浮気がない
【倹約】本当に必要なものを知る
・ひと月1万バーツ(約3万5000円)も節約できるようになった
・倹約家になった
・収入が激減したので家を売り出す
・オンラインショップや宅配料理を利用するようになった
【自分を見つめ直す】精神的な安定を得る
・人生の大切なものを見つめ直すようになった
【コロナを封じる】規制強化にうんざり
・コロナは世界の金持ちがものの価値や値段を下げ、買い漁るために意図的に起こしたこと。だから金持ちが買い尽くしたらコロナは終わる(著者注:なぜか多くの人が賛同・納得)
・規制強化なんて気休めにすぎない
・規制強化は広範囲でなく、狭いエリアで次々やるべき
以上です。
タイ人を理解するキーワードとして「快適」「楽しい」「苦を楽に」というのがあります。コロナが怖くても怖がらず、政府の規制強化が嫌でも気楽に。苦を遠ざけて面白いものを求めて生活していくのでしょう。
とはいえ、タイは自殺者数東南アジアワーストですから、掲示板には悲壮な声も溢れています。もちろん、政府のやり方に憤る人もいますし、マスク警察もいる。大声でコロナ禍をだれかのせいにする人もいます。しかしライフスタイルとは生きてゆく方向性。90%が仏教徒のタイでは小学校から「心をコントロールする術」として瞑想に触れる機会があります。学校に僧や瞑想のインストラクターを招きます。
数年前、チェンライの洞窟に小学生12人がコーチひとりと閉じ込められ、明かりのない中で9日間耐えて、生還した事件がありました。そのとき子どもたちと一緒にいたコーチは仏門に入る前の人で、瞑想の効用を知っていたそうです。
タイ人はコロナ禍でどう暮らしが変わったか?「コロナ禍があっても心の平静を失わなければみんなが快適に生きられる」と静かに考えて毎日を生きているように思えます。やはり宗教を持っている国民は強いと思いました。




