ただ、それで不自由していたかというと、それほど不自由があったわけではない。現に私はそのワークスタイルを、いまでもある程度続けている。特にPCを使うときは腰を落ち着けたいので、カフェに入りWi-Fiを拾って作業していた方が心地よい。

 では、スマホを何に使っているかというと、隙間時間ができたときのメールやSNSのチェック、あるいはそこで紹介されているWebサイトの閲覧である。一見、隙間時間を効率よく使えているような錯覚に陥るし、実際そうだということもある。

 しかし、メールのチェックは読むだけで済むということはあまりない。単純なことで、読んだら反応したくなるのだ。そうしているうちに、隙間時間だったはずの時間の使い方が、メール処理という時間に侵食されていく。しかしメール処理という作業は、やはりPCの方が効率的だ。

 それもあって、メールよりカジュアルなSNSのメッセージング機能を、仕事で使うという人も増えている。実際私も、取引先からの連絡をfacebookでもらうことが増えているし、いわゆるノマド的なスタイルの人ではなく、通信業界や金融業界等に属する伝統的な事業者の中の人も同様に、SNSで連絡をくれるようになった。

 ただ、SNSが厄介なのは、メッセージングだけではなかなか済まないこと。タイムラインをうっかり眺めてしまうと、私を含めてほとんどの人にとっては時間泥棒となっていく。そして、ふと我にかえって自分のつぶやきを振り返ると、毒にも薬にもならない話ばかり。

 SNSも、自分で時間のコントロールができる人に取っては、有効なツールだ。また愚痴を言うこともたまには必要で、それを無意味とは言わない(そう言ってしまったら私自身の自己否定になってしまう)。しかし、四六時中愚痴ばかり言っている人が、「少しは仕事しろ」と言われてしまうのは、古今東西、枚挙にいとまなし。

自らを律することの難しさ

 メールやSNSは、気にし始めると時間がどんどん消費され、隙間ではない時間をも侵食する。そう考えると、隙間時間の最も有効な活用法は、実はいつでも離脱できるようなライトなコンテンツ消費や、制限時間が設けられたゲームのような、「正しい暇つぶし」なのかもしれない。

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ゲームもまた「中毒性」がある

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