長期的な視野に立てば、それほど悲観することもないのかもしれない。インターネットの歴史を紐解くと、TCP/IPがプロトコルとして定められ、研究機関のワークステーションを端末に、徐々にネットワーキングが進んでいった時代、実はそこで使われていたアプリケーションは、少なからずゲームだったりする。
ただ、「だから結局は慣れの問題だよ」というのは、少し違う。インターネットがゲームばかりの世界から脱却したのも、研究活動はもとより、様々な業務や生活習慣の改善に応用可能なはずだと考える人々が、多くのアイディアをアプリケーションとして実装し、それが受け入れられるという歴史を積み重ねてきたからだ。
そうした歴史的な営みを、いまのスマートフォンのエコシステム(生態系)は、サポートできているのか。そしてその中心であるはずの私たちエンドユーザが、スマートフォンを使いこなして自分たちの生活をより豊かにしようという動機を、備えているのだろうか。スマートフォンが台頭した結果、人々の心の中に少しずつ広がりつつある違和感の泉源は、どうやらそのあたりにありそうだ。
この難題を解決できたときに、スマートフォンは本当にスマートなものになるのだろう。私自身、まったくスマートに使いこなせていないので、本稿も半ば苦悩の告白のようになってしまっているが、せめて前向きに問題に当たっていくために、スマートフォンを本当にスマートに使いこなしている人に、注目していきたいと思っている。



