トヨタやソフトバンクの
呼値の単位縮小で何が変わったか?3000円超のTOPIX100構成銘柄呼値変更で投資家にチャンス到来!

2014年3月7日公開(2017年11月30日更新)
久保田正伸

「TOPIX100」とは、東証1部に上場する銘柄のうち、時価総額と流動性の高い100銘柄から算出される指数のこと。1月14日(火)より、TOPIX100のうち株価が3000円超の銘柄について、呼値の単位がその他の銘柄より縮小された。そのことが市場にもたらした変化とは何かを探った。

値動きの上下動が2倍に増えた!

 呼び値縮小の制度変更に伴い、対象銘柄では株価の値動きの回数が増加している。松井証券によれば、新しい呼び値が導入された1月14日の週は、値動きの上下動(ティック回数)が前週比2倍になったという。

 また、松井証券のデイトレード限定サービス「一日信用取引」の利用が、1月以降急拡大している【図表1】。

【図表1】松井証券、信用取引の売買代金(単位:100万円)と「一日信用取引」の比率

なぜ呼び値の単位が縮小されたのか

 呼び値とは、株を注文する際の値段のことで、株価に応じていくら刻みで指値注文を指定できるかが決まっている。たとえば、株価が3000~5000円ならば、通常、注文価格は5円刻みとなる。

 今回、変更された銘柄に限っては、株価3000~5000円の場合、呼び値の単位が1円となった【図表2】。

【図表2】呼び値が表示された気配板。左がTOPIX100銘柄のひとつ、三井住友フィナンシャルグループ(8316)。右がその他の銘柄、オービック(4684)

 細かい呼値の単位導入の目的について、東京証券取引所は次のように説明している。

 ・約定価格の改善
 ・指値注文の値段の選択肢の広がり
 ・板での順番待ちの緩和

 流動性が高い銘柄に限って呼び値を変更することで、投資家の利便性向上を目指している。

 具体的に呼び値の単位が縮小された銘柄は、東証のホームページなどで確認ができる。たとえば、トヨタ自動車(7203)ソフトバンク(9984)三井住友フィナンシャルグループ(8316)といった有名な大型株で、現時点(3月6日)では41銘柄ある。

 

1円抜きでも利益になる!?

 この制度変更をトレードに役立てることを考えた場合、たとえば、デイトレードで小さな値動きでも何度も利ざやを狙う手がある。

 そのためには、証券会社の手数料など、コストを低く抑えることが重要だ。信用取引で手数料が無料になるサービスをまとめたのが【図表3】。カブドットコム証券GMOクリック証券は大口優遇、松井証券はデイトレード限定の手数料無料プランがある。SMBC日興証券はネット取引ならば、条件なしで手数料無料だ。

  【図表3】信用取引手数料が無料になるサービス・条件

証券会社 サービス名称 買方金利 貸株料 条件種類

無料条件・備考

SMBC日興証券 日興イージートレード 2.67% 1.15% 無条件

ネット取引(ダイレクトコース)

カブドットコム証券 ゴールドプラン(制度) 2.68% 1.15% 大口優遇 前1カ月の建玉残高または新規建約定代金合計4億円以上。一般信用売り建て(  )内は「売短」。
ゴールドプラン(一般) 3.30% 1.5%(3.9%)
プラチナプラン(制度) 2.06% 1.15% 前1カ月の建玉残高または新規建約定代金合計30億円以上。一般信用売り建て(  )内は「売短」。
プラチナプラン(一般) 2.68% 1.5%(3.9%)
GMOクリック証券 VIPプラン 1.9%(3.5%) 1.10% 大口優遇 毎月20日大引け時点の信用建て玉5億円以上、または対象1カ月間の新規建て約定代金合計が5億円以上。買い方金利(     )内は一般信用。
松井証券 一日信用取引 2%(0%) 2%(0%) デイトレ限定 デイトレード限定。売り建て銘柄数758(3月7日時点)。金利0%は1約定300万円以上。弁済期限切れ決済手数料は約定代金×0.315%(最低手数料21円)。

 

 こういったサービスを利用してコストを抑えれば、小さな値動きで何度も利ざやを稼ぐ作戦が現実的になる。現在、松井証券の「一日信用取引」では、手数料だけでなく、金利も0%であり(3月31日まで実施中のキャンペーン)、これなら1円抜いただけでも利益となる。

 なお、呼び値縮小のルール変更は、7月22日にも実施される予定だ。呼び値の単位が5000円以下の銘柄で0.5円に、1000円以下の銘柄では0.1円になる。そうなれば、さらに売買は頻繁になるだろう。こういった制度変更を利用することで、これまで不可能だった新たなトレード手法が工夫できるかも!?
 

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