世の中が複雑怪奇で、人々が獏たる不安や焦点が判然としない恐怖心を抱いている時、この「敵指差し戦術」が効力を発揮する。

 以上がチームアホノミクスの支持基盤を構成する「偽預言者効果」だ。

危機感をあおる「振り込め詐欺効果」
グローバル化とともに各国で出現

 もう一つの「振り込め詐欺効果」も、結局は偽預言者の技の一つだと考えてもいいだろう。

「あなたは今、こんな状況に陥っていますよ。」「このままでは大変なことになりますよ。」「今すぐ、我が陣営にお入りいただかないと手遅れですよー」。こんな調子で危機感をあおり、自分の側に人々をおびき寄せて行くのである。

 2017年10月の“にわか総選挙”に際して、チームアホノミクスの大将は、「国難突破」というスローガンを持ち出した。あの旗印にも、彼らの振り込め詐欺的な強迫観念醸成作戦がとてもよくにじみ出ていたと思う。

「偽預言者効果」と「振り込め詐欺効果」は、決して、チームアホノミクスだけに固有のものではない。

 グローバル社会のあちこちに出現している大衆扇動型の政治家たちは、皆、大なり小なりこれらのツールを武器として、人々を国家主義と排外主義の方向へとおびき寄せて行こうとしている。

 そうした今日的時代特性が、日本においては安倍政権という姿を取って出現しているということだ。

 その意味で、チームアホノミクスとの闘いは、まともな経済社会を守るためのグローバルな闘争の一環だと考えておく必要がある。

 さて、以上のような特性を持つ安倍政権が、今後もなお存続して行くということになれば、それがもたらすものは何か。

 それは、日本経済の窒息死だ。筆者はそう考える。

「稼ぐ力」強化で
追い詰められるモノづくりの現場

 かつて、安倍首相は「アベノミクスと自分の外交安全保障政策は表裏一体だ」と表明したことがある。

 2015年、まだオバマ政権だった米国を訪れた時のことだ。「笹川平和財団アメリカ」で行った講演の中でそう言っている。

 つまり、彼は経済運営を外交安全保障上の目標達成のための手段だと考えている。政治が、その外交安全保障上の野望達成のために経済を“従属”させる。そのことを是としているのである。