一方現在は、リーマンショック後の金融規制の強化や投資家がまだリーマン危機の苦い記憶をなくしていないため、負債を活用したレバレッジや、ポジションの過剰な構築は見られません。また、金融当局や金融市場関係者が、不健全化する可能性がある金融ポジションの金額を概ね認識できていることも指摘できます。

 もちろん、米トランプ大統領の強硬的な対外通商政策は景気の失速リスクを高めます。ただし、トランプ大統領も、世界経済を不況に追い込んだことで後世に名を残すようなことは避けると思われます。従って消費税増税をさらに先送りするような事態には至る可能性は低いと考えられます。

 また、来年の消費税増税に伴い、幼児教育の無償化がうたわれていますが、消費税増税を見送るとこれが実施できなくなります。この点でも、消費税増税の先送りは考えにくいと思われます。

懸念される消費と景気への影響
政府は万全の対策で臨む予定

 さて、それでは来年10月の消費税引き上げによって、どの程度消費や景気に影響が及ぶと考えられるのでしょうか。果たして、政府はその影響を最小限に抑えることができるのでしょうか。

 まず、政府が掲げた景気への影響の軽減策について確認します。それらには、幼児教育の無償化、食料品などの税率を8%に据え置く軽減税率の導入、自動車や住宅の購入支援、国土強靭化のための公共事業の実施等があります。

 日銀の試算によると、全品目の消費税率を10%に引き上げた場合の負担増は5.6兆円となりますが、軽減税率によって-1兆円、教育無償化によって-1.4兆円の負担が減少します。その他の効果も加味すると、今回の消費税増税の家計負担は2.2兆円となるようです。