与謝野晶子の代表作『君死にたまふことなかれ』は、日露戦争を背景とした「反戦詩」ともいわれる。当時、画期的だった「女性の自立」を訴えた彼女の意志はやはり強い。そのような彼女が情愛に揺れる気持ちを詠じたのが『みだれ髪』である。女性の性愛を表現することが考えられなかった時代に一石を投じた彼女はその時、何を思ったのだろうか。

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