モスバーガーの店舗画像モスバーガーへの不買運動は失敗します Photo:PIXTA

「日本人を雇え!」――モスバーガーがベトナム人社員の活躍を支援したニュースに、SNSで怒りの声が殺到し不買運動まで起きています。しかし、一部の人々がどれだけ熱狂しても、この不買運動は「絶対に失敗する」と断言できます。過去の亀田製菓の炎上騒動にも共通する、彼らの主張が一般の社会人から共感されず壮絶にスベってしまう決定的な理由とは? 騒動の裏に隠された、外国人労働者を巡る日本経済の残酷な現実を暴きます。(ノンフィクションライター 窪田順生)

モス「ベトナム人店長」推進に
「日本人をもっと雇え」の声

「日本発祥」「安心安全の国産野菜」「ファストフードだけど注文を受けてから調理をするアフターオーダー制」などから「日本が世界に誇るハンバーガーチェーン」として長く支持されてきたモスバーガーが、「反日」のそしりを受けてしまっている。

 モスバーガーを運営するモスフードサービスが、人手不足対策やグローバル展開を見据えて、ベトナム人社員の若者が「特定技能1号」を取得できるように会社として応援している、というニュースを受けてネト…ではなく愛国心あふれる人々から「どんなに屁理屈をこねられても感情的に嫌」「日本人をもっと雇え」などボロカスに吊し上げられ、一部では不買運動まで呼びかけられているのだ。

 という話を聞いても「ふーん、暇な人たちもいるんだね」とシラけてしまう人も多いのではないか。

 ベトナム人は今、日本の外国人労働者の中で最も多く、24年10月時点で60万5906人。鹿児島市の人口とほぼ同じだけの人々が、製造業、建設業、小売り、飲食業、そして介護の現場など幅広い分野で働いている(厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ〈2025年10月末時点〉)。

 つまり、ベトナム人を採用している会社はボイコットするということに本気で真面目に取り組んだら、もはやこの国では生きていけないのだ。

「愛する日本のため」に怒りの声を上げた方たちにこういうことを告げるのは大変心苦しいのだが、みなさんが呼びかけている「不買運動」はデータ的にもロジック的にも説得力がない。