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「日本人をもっと雇え!」――モスバーガーがベトナム人社員の活躍を後押ししたことで巻き起こったSNSでの不買運動。しかし、外食や小売りなど日本経済の現場を知る社会人から見れば、この抗議は的外れであり、亀田製菓の炎上騒動と同様に「失敗する」と前編記事でお伝えしました。
しかし、筆者は決して「人手不足解消のために外国人をどんどん受け入れろ」という推進派ではありません。むしろ、現在の政府が進める安易な「外国人労働者の受け入れ拡大」には明確に反対しています。その理由は、最低最悪と言ってもいい3つの悲劇がもたらされるからです。
1. 人手不足が解消されても低賃金が固定化され、結局日本経済が停滞する
2. 「日本人と同等の待遇ではない」ことに不満を抱く外国人がアウトロー(犯罪者)化する
3. 外国人を単なる「労働力」としか見ていないため、過去の歴史と同じ“人権問題”が繰り返される
「愛国心」から企業を叩くノイジーマイノリティの騒ぎを嘲笑って終わる問題ではありません。中小企業の延命ツールとして安価な労働力を使い捨てにし続けた結果、日本社会にどんな“禍根”が残るのか? 後編となる本稿では、メディアが報じがちな「治安悪化」という表面的な問題の奥底に潜む、この国の残酷な構造的欠陥と、やがて来る「未来の国際問題」の正体を解き明かします。(ノンフィクションライター 窪田順生)
「労働力の輸入」に頼るしかない
日本経済のヤバすぎる現在地
まず1から説明しよう。よく聞かれる「日本は深刻な人手不足」という現象は実は細かく見ると2種類ある。
会社として堅実に成長をして、給料もそれなりに出しているのになかなか人材が獲得できないパターン。
そしてもうひとつが、会社としては現状維持を続けるのがやっとで、物価上昇もあってかなり厳しい経営の中でなんとか安い給料でも働いてくれる人材が欲しいというパターン。残念ながら日本は圧倒的に後者が多い。
産業構造として、日本企業の99.7%は中小企業で、しかもその中の6割以上は社員が数名という「小規模事業者」だからだ。
モスバーガーのように海外展開もして、成長を続けている大企業ならば外国人材を積極的に採用するのもいい。
しかし、「経営が苦しい小さな会社」が「深刻な人手不足なので外国人労働者に頼るしかない」というのは往々にして、低賃金労働者による人件費圧縮、つまり成長できない企業の「延命」に利用されている現実があるのだ。
日本の賃金が低いのは、日本人の7割が働いている中小企業(小規模事業者)の賃金が安いからだ。なので、本来はこのような小さな会社も成長していかなければならない。
M&Aなどで統合・再編させて大きな会社に規模を拡大していくのだ。そういう「産業の新陳代謝」があってはじめて経済というものは成長する。
しかし、外国人労働者がどんどん日本に入ってきたら、小さな会社は延命するし現状維持ができてしまう。産業の新陳代謝は起きないので経済も上向かない。「安価で使える労働力」がたくさん投入されるので、日本人の賃金も低く抑えられる。







