消費者物価指数(CPI)の上昇率が日銀の目標である2%を大きく上回る中、日銀は2024年3月以降利上げを進めてきた。だが、そのペースは極めて緩やかで、慎重すぎるとの批判も根強い。背景にあるのが、「基調インフレ」の低さだ。日銀はCPIではなく基調インフレを政策運営の指針としているが、果たしてその姿勢は妥当なのか。基調インフレの基本から、CPIより低く出る理由、注意すべきポイントや政策運営上の課題など、基調インフレを巡る論点について、本稿では実際のデータを用いて考察する。

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