仮想通貨の種類は今や2万種類を超えているが、その中で日本発祥のものはごくわずかだ。
今回取り上げるコスプレトークンは、そんな数少ない日本発祥の仮想通貨の1つであり、名前のとおりコスプレ業界において、コスプレのマーケット化のために用いられている。
この記事では、そんなコスプレトークンの主な特徴やこれまでの価格動向、今後の見通しなどを解説していく。
- コスプレトークンは、香港企業のCure Holdings Limitedが発行している仮想通貨
- イーサリアムのトークン規格「ERC-20」に準拠している
- コスプレイヤー専用のSNSサイト「Curecos」で、コスプレイヤーを応援するための投げ銭に用いられている
- 時価総額ランキングは1258位*で、まだまだマイナーな通貨の1つに過ぎない*2024年7月29日時点、CoinMarketCap調べ
コスプレトークンは、2022年3月にZaifから、国内市場への初上場を果たした。
またZaifでは、コスプレトークン以外にもフィスココインやカイカコインなど、日本発祥の仮想通貨が多く取り扱われている。
興味がある方は、ぜひこの機会にZaif公式サイトにアクセスして、サービスの詳細をチェックしてみるとよいだろう。
仮想通貨COT(コスプレトークン)とは?
名称 | コスプレトークン(Cosplay Token) |
ティッカーシンボル・通貨単位 | COT |
トークン規格 | ERC-20(イーサリアム) |
価格 | ¥2.03/COT |
時価総額ランキング | 1258位 |
取り扱いのある主な仮想通貨取引所 | Zaif |
コスプレトークン(Cosplay Token、COT)は、香港企業であるCure Holdings Limited(以下、CHL)が発行している、イーサリアムのトークン規格“ERC-20”に準拠した仮想通貨だ。
株式会社キュアは、コスプレイヤー専用のSNSサイト「Curecos」の運営もおこなっており、そこでコスプレトークンはコスプレイヤーを応戦するための投げ銭や、コスプレイヤーが発行したNFTを購入するための決済手段として用いられている。
またCHLは、将来的にコスプレトークンを用いて、世界中のコスプレイヤーとファンがつながることができる、自律分散型の「コスプレ経済圏」の確立を目指している。
ちなみに本記事執筆時点でのコスプレトークンの時価総額ランキングは1258位*で、現状はまだまだマイナーなコインの1つに過ぎない。*2024年7月29日時点、CoinMarketCap調べ
仮想通貨COT(コスプレトークン)の特徴
コスプレトークンには、主に次のような特徴がある。
- コスプレイヤー専用のSNSサイト「Curecos」で、投げ銭として用いられている
- NFT購入のための決済手段となっている
- ステーキングができるようになる見込みである
コスプレイヤー専用のSNSサイト「Curecos」で、投げ銭として用いられている
コスプレは世界的な人気のあるエンタメコンテンツの1つとなっているが、多くのコスプレイヤーにとっては、マネタイズがまだ難しい現状がある。
そうしたなかでコスプレトークンは、コスプレイヤーが収益を得るための有力な手段の1つとなっている。
コスプレイヤーがコスプレ写真を投稿するSNSサイト「Curecos」では、投げ銭の機能が搭載されており、ファンは気に入ったコスプレイヤーに、コスプレトークンを投げ銭として送って応援することが可能だ。
NFT購入のための決済手段となっている
コスプレイヤー専用のSNSサイト「Curecos」には、NFTを発行する機能も実装されている。
コスプレイヤーは、Curecosにおいて、従来のJPEGなどの形式でコスプレ写真を投稿できる一方で、コスプレ写真を用いたNFTを発行することもできる。
またコスプレイヤーのファンは、コスプレトークンを用いて、そのNFTを購入することができる。
なお、NFTについて深く知りたいという方は、ぜひ「NFTを初心者向けに解説」の記事を確認しておきたい。
ステーキングができるようになる見込みである
コスプレトークンは、イーサリアムを基盤にしたERC-20トークンの1つであるため、同じくイーサリアムを基盤にしたDEX(分散型取引所)である「Uniswap」などで、イールドファーミングに用いられている。
DEX(分散型取引所)とは、中央集権的な管理者を必要とせず、ユーザー同士で仮想通貨・トークンのスワップ(交換)などの取引ができる、ブロックチェーンを基盤にした取引所のことだ。
中央集権的な管理者が存在しないため、DEXでは取引に用いる仮想通貨をユーザー同士で用意しなければならず、そこで必要となるのが「イールドファーミング」である。
イールドファーミングとは、自身が保有する仮想通貨をDEXのプールに預け入れて、スワップなどの取引の流動性を提供し、その見返りとして報酬を得られる仕組みのことだ。
また、イールドファーミングをおこなうと、その証明としてLPトークンが発行される。
コスプレトークンのホワイトペーパーによると、将来的にコスプレトークンのエコシステムでは、LPトークンのステーキングプログラムの実装が計画されている。
具体的には、コスプレトークンのイールドファーミングで獲得したLPトークンをステーキングすることで、見返りとしてコスプレトークンやその他のERC-20トークン、さらにはNFTも得られるようになる見込みだ。
仮想通貨COT(コスプレトークン)の価格動向
ここで、コスプレトークンのこれまでの値動きを、COT/USD(米ドルチャート)で確認しておこう。
市場初上場からの価格動向
コスプレトークンは、2021年12月に海外取引所のBittrexから、仮想通貨市場への上場を果たした。
また、2022年3月には国内取引所のZaifにて上場している。
上場から本記事執筆時点(2024年7月)までの値動きは、以下のチャートに示すとおりだ。
上場直後は話題性があったためか高騰したものの、わずか数日で急落してしまい、その後はしばらく0.1ドル~0.3ドル程度のレンジで推移していた。
ところが2022年3月末頃から価格が下がりはじめ、復調する様子もないまま初上場時の価格(約0.05ドル)も下回り、さらに2022年6月以降は値動きそのものが乏しくなっている。
2024年現在で仮想通貨市場はビットコイン・イーサリアムの現物ETF承認の影響もあり上昇傾向だが、コスプレトークンは明確な転換が見られず安値圏で推移している。
直近の価格動向
次に、本記事執筆時点(2024年7月29日)からさかのぼって、直近3カ月の値動きもチェックしておこう。
長期チャートでは安値圏を推移していたが、直近でも価格は下落傾向にあったことが分かる。
5月前半は約8円台で推移していたが、7月現在は2円台を推移している。
2024年6月7日にはコスプレトークンがCoinbase Walletで利用可能となったことで前日比30%の上場を見せるが、上昇は長く続かず反発傾向にある。
冒頭に述べたとおり、コスプレトークンは現状、時価総額ランキングで1200位台のマイナーな通貨の1つに過ぎない。
マイナーな通貨は日々の取引高が少ないため、ひとたび注目を浴びれば、資金の流入量が少なくても高騰する可能性を秘めているが、一方で日の目を見ないまま、さらに存在が薄れていくケースもある。
これからもしもコスプレトークンへ投資するのであれば、そうしたマイナーな通貨の特徴をよく理解しておく必要があるだろう。
仮想通貨COT(コスプレトークン)を購入できる取引所
本記事執筆時点(2024年7月)で、コスプレトークンを取り扱っている仮想通貨取引所は国内に3社ほどあるが、今回はその中からZaifを紹介していく。
Zaif
提供する取引の種類 | 現物取引(販売所・取引所) レバレッジ取引 |
取り扱う仮想通貨 | 22種類 |
最小取引数量 (COTの場合) |
現物取引(販売所):0.0001 COT 現物取引(取引所):0.0001 COT レバレッジ取引:取り扱いなし |
取引手数料 (COTの場合) |
現物取引(販売所):無料、スプレッドあり 現物取引(取引所):Maker 無料、Taker 0.1% レバレッジ取引:取り扱いなし |
仮想通貨の送金手数料 (COTの場合) |
0.01〜0.05 ETH(ERC20トークンの送金手数料) |
その他のサービス | 自動売買おてがるトレード 自動売買ランキングトレード コイン積立 Zaif Payment ソーシャルチップ |
公式サイト | Zaif公式サイト |
関連記事 | Zaifの評判・口コミ |
Zaifは、2022年3月14日に国内で初めて、コスプレトークンの取り扱いを開始した仮想通貨取引所だ。
コスプレトークンの取引形式(現物取引)は、Zaifとユーザーの間で取引をする「販売所」と、ユーザー同士で取引をすることができる「取引所」の2種類が用意されている。
取引所では、円建てだけでなくビットコイン建てでも、コスプレトークンの取引が可能だ。
またZaifには、事前に設定した条件で取引を自動的に繰り返す「自動売買おてがるトレード」や、自動売買おてがるトレードの人気設定ランキングから、好みの設定を選ぶだけで自動売買を始められる「自動売買ランキングトレード」もある。
仕事で日ごろ忙しく、自分で仮想通貨取引をすることが難しい方は、それらの自動売買サービスを使って、コスプレトークンなどの様々な仮想通貨に投資してみるのもよいだろう。
仮想通貨COT(コスプレトークン)の購入方法
続いては、先ほど取り上げたZaifを例にして、コスプレトークンを購入する方法を確認しておこう。
- Zaifで口座を開設する
- 購入資金を口座に入金する
- 取引形式を選ぶ
- 数量などを決めて購入する
Zaifで口座を開設する
まずはZaif公式サイトにアクセスして、口座開設(会員登録)を申し込もう。
Zaifでの口座開設の手順は、以下のとおりだ。
- メールアドレスを登録する
- パスワードを設定する
- 個人情報を入力する
- 本人確認をおこなう
口座開設の流れについて詳しくは、以下の記事で画像を交えながら解説しているので、Zaifに興味がある方はそちらも参考にしてみてほしい。
購入資金を口座に入金する
口座開設が完了したら、次はその口座にコスプレトークンを購入するための資金を入金しよう。
Zaifでは銀行振込、コンビニ入金、ペイジー入金の3つの入金方法が用意されている。
それぞれ入金手数料などが異なっているので、入金手続きをおこなう際は、あらかじめZaifのヘルプページで利用しようとしている入金方法の仕様をよく確認するようにしよう。
取引形式を選ぶ
先ほども述べたとおり、Zaifにおけるコスプレトークンの取引形式(現物取引)は、Zaifとユーザーの間で取引をする「販売所」と、ユーザー同士で取引をすることができる「取引所」の2種類がある。
取引コストをより安く抑えたい方は「取引所」、取引コストは割高になったとしても、Zaif側から提示される価格で手軽に取引したい方は、「販売所」を選ぶようにするとよいだろう。
なお、コスプレトークンはまだまだマイナーな通貨であるため、ビットコインやイーサリアムなどのメジャーな通貨と比べると、取引所の注文量が少なく、売買が成立しにくい状態になっている。
取引所を利用する際は、そうしたコスプレトークンならではのデメリットもあることを理解しておこう。
数量などを決めて購入する
取引形式を決めたら、いよいよ実際にコスプレトークンを購入してみよう。
販売所の使い方は非常にシンプルで、コスプレトークンの購入数量、もしくは日本円での購入金額を指定して、注文を出すだけだ。
一方で取引所は、指値注文を利用する仕様となっており、購入数量だけでなく、オーダーブックを見ながら購入したい価格(1COTあたりの価格)も指定する必要がある。
なお、取引所では成行注文のサービスも備わっているのだが、本記事執筆時点(2022年11月下旬)では、システムの負荷軽減のために成行注文を利用できない状態になっている。
以上、Zaifを例にして、コスプレトークンを購入する方法を紹介した。
繰り返し述べてきたようにZaifなら、自身の投資方針に合わせて、取引の形式を「販売所」と「取引所」から自由に選ぶことができる。
コスプレトークンに興味がある方は、ぜひこの機会にZaifの利用を検討してみてはいかがだろうか。
仮想通貨COT(コスプレトークン)の今後の見通し・将来性
最後に、コスプレトークンの将来性について考察してみよう。
- 国内での上場先が増える可能性がある
- コスプレトークンのグローバル化
- DAO(分散型自律組織)が設立される予定である
- コスプレトークンによるコスプレ経済圏を実現できるとは限らない
国内での上場先が増える可能性がある
コスプレトークンは、国内市場への初上場を果たしてからまだ日が浅く、本記事執筆時点(2024年7月)でコスプレトークンの取り扱いがある国内の仮想通貨取引所は、Zaifを含めて3社しかない。
しかし国内市場には、一度どこかの仮想通貨取引所で上場しさえすれば、次々と上場先が増えていく傾向があり、コスプレトークンもこれから国内での上場先が増えていく可能性が十分にある。
また、新規上場の話題は投資家からポジティブに受け取られやすく、短期的な価格高騰のきっかけになることも多いので、これからコスプレトークンに投資するなら、そうした話題が出たときの値動きをよくチェックしておくとよいかもしれない。
コスプレトークンのグローバル化
コスプレトークンはまだマイナーな通貨であるが、グローバル化を目指している。2024年6月には、アメリカの暗号資産取引所Coinbaseの公式ウォレット「Coinbase Wallet」で利用可能となった。
Coinbase Walletの便利な機能の一つに、WhatsApp、Telegram、Facebook、Snapchat、TikTok、Instagramなどのメッセージアプリでリンクを共有し、仮想通貨を送金する機能がある。
コスプレトークンもCoinbase Walletの利用者に接触できるようになり、各種機能を享受できるようになった。
コスプレトークン(COT)の主要な取引市場は海外に位置しており、主に大手の分散型取引所(DEX)であるUniswapやBybitで取引されている。
2024年6月には大手海外取引所Bybitでステーキングが開始されており、CoinbaseやBybitなどの大手取引所を通じてグローバル化できるかが重要だ。
DAO(分散型自律組織)が設立される予定である
コスプレトークンのホワイトペーパーによると、将来的にCurecosにおいて、「Curecos DAO」が設立される計画がなされている。
DAO(分散型自律組織)とは、ブロックチェーン技術を用いることによって、中央集権的な管理者を必要とせずに、より民主的に事業やプロジェクトを推進していくことができる組織のことだ。
DAOの設立によって、Curecosがコスプレイヤーにとってより快適で、より多くの収益も見込めるプラットフォームになれば、そこで用いられるコスプレトークンもおのずと需要が増していくことだろう。
コスプレトークンによるコスプレ経済圏を実現できるとは限らない
冒頭に述べたとおりコスプレトークンの発行・運営元であるCHLは、コスプレトークンやDAOを用いて最終的には、自律分散型の「コスプレ経済圏」の確立を目指している。
しかし5年後・10年後の未来に、それが必ずしも実現、もしくは実現後に維持されているとは限らない。
また、仕組みを整えても望んだ規模に到達せずに、参加者の少ないニッチなエコシステムで終わってしまうケースも十分に考えられる。
コスプレトークンやCurecosがどのように発展していくのか、その未来を正確に予知することは、残念ながらだれにもできない。
そのためコスプレトークンに投資するのであれば、ホワイトペーパーやロードマップ、Curecosの現状などをよく確認して、将来性があるかどうかを投資家一人ひとりが、自ら判断していかなければならない。
仮想通貨COT(コスプレトークン)の予想まとめ
今回はコスプレトークンについて、その特徴や今後の見通しなどを解説した。
- コスプレトークンは、Cure Holdings Limitedが発行している、香港発祥の仮想通貨
- コスプレイヤー専用のSNSサイト「Curecos」で、コスプレイヤーへの投げ銭に用いられている
- Curecosでは、コスプレイヤーが発行したNFTをコスプレトークンで購入することもできる
- Cure Holdings Limitedはコスプレトークンを用いて、自律分散型の「コスプレ経済圏」の確立を目指している
コスプレトークンは、コスプレイヤー専用のSNSサイト「Curecos」で、コスプレイヤーを応援するための投げ銭などに用いられている仮想通貨だ。
また運営元であるCure Holdings Limitedは、将来的にコスプレトークンを用いて、「コスプレ経済圏」を確立することを目標として掲げている。
そうした目標に将来性を感じるなら、コスプレトークンに投資してみるとよいだろう。
まだエコシステムが発展途上である今のうちにコスプレトークンを保有しておくと、近い将来、大きなリターンを得られるかもしれない。
なお、コスプレトークンを取り扱う仮想通貨取引所はいくつかあるが、その中でもZaifなら、自身の投資方針に合わせて取引形式を「販売所」と「取引所」から自由に選ぶことが可能だ。
口座開設はネットから手軽に申し込めるので、気になる方はこの機会に、Zaifのことも併せてチェックしてみてほしい。