価格の安定を目的として設計されたステーブルコインは、今では100を超えるほどの種類がある。
そうした数多くのステーブルコインの中で、時価総額の比較で3番手*につける人気のステーブルコインが、今回取り上げる「ダイ(DAI)」だ。*2023年6月20日時点、CoinMarketCap調べ
この記事では、ステーブルコイン「ダイ(DAI)」の特徴やこれまでの価格動向、今後の見通しなどを解説していく。
- ダイ(DAI)は米ドルにペッグしたステーブルコインの1種で、仮想通貨を担保にしている
- DeFiプラットフォームに仮想通貨を預け入れることで、だれでもダイを発行することが可能
- DeFiプラットフォームは、DAO(MakerDAO)によって運営されている
- 決済手段としてだけでなく、DeFiプロトコルでの運用手段としても用いられている
- DAIを取引するなら、国内有名取引所のコインチェックがおすすめ!
ステーブルコインのダイは、投資目的ではなく実用目的で保有するのが一般的で、仮想通貨取引所で購入した場合はDApps(分散型アプリ)などで使用する際に、事前に取引口座から自身のウォレットなどへダイを送金する必要がある。
コインチェックなら、500円という少額からDAIを購入できるので、お試しでDAIを購入してみたいという方にもおすすめだ。
ダイに興味を持っている方は、併せてコインチェックのこともチェックしておくとよいだろう。
DAI(ダイ)とは?
名称 | ダイ |
ティッカーシンボル | DAI |
トークン規格 | ERC-20 |
価格 | 1.0ドル |
時価総額ランキング* | 15位 |
取り扱いがある仮想通貨取引所 |
コインチェック GMOコイン CoinBest |
ダイ(DAI)は、価値が米ドルのレートと一定割合で保たれた「米ドルペッグ」のステーブルコインの1種で、イーサリアムチェーンのトークン規格「ERC-20」を用いてつくられている。
DeFiプラットフォームの「Oasis.app」で、イーサリアムなどの他の仮想通貨を担保にすることより、だれでもダイを発行することができる。
また、DeFiプラットフォームで発行できるだけでなく、仮想通貨取引所を使って購入することも可能だ。
本記事執筆時点(2023年6月下旬)で、国内の仮想通貨取引所ではコインチェックやGMOコインが、ダイを取り扱っている。
DAI(ダイ)の特徴
ステーブルコインの1種であるダイには、主に次のような特徴がある。
- 仮想通貨担保型のステーブルコイン
- DeFiプラットフォームを使って個人で発行できる
- 決済手段以外にも様々なユースケースがある
仮想通貨担保型のステーブルコイン
ステーブルコインは価値を裏付ける仕組みに応じて、大半が次の3種類に分類される。
- 法定通貨担保型
- 仮想通貨担保型
- アルゴリズム型(無担保型)
ダイは、これらの内では仮想通貨担保型にあたり、イーサリアムなどの複数の仮想通貨を担保にして発行される。
一般的に、仮想通貨は法定通貨と比べると価格変動が大きく、担保資産としての適性に乏しい部分があると指摘されることもあるが、ダイは「過剰担保」を求めることで、価格の安定性を保つ仕組みが用いられている。
例えば、イーサリアムを担保に100ドル相当のダイを発行する場合、最低でも130ドル相当分のイーサリアムを担保として預け入れなくてはならない。
また、万が一、担保として預けている仮想通貨の価値が暴落して、必要な担保比率を下回ってしまった場合は、追加の担保を預け入れることで担保比率を回復させることもできるが、担保を追加せずに担保比率が決められた水準を下回った状態が続くと強制清算、つまり、担保の没収が執行される。
このように、仮想通貨担保型のステーブルコインであるダイは、二重三重のセーフティネットを仕組みとして組み込むことで、価格の安定を保っている。
DeFiプラットフォームを使って個人で発行できる
ステーブルコインには、テザー社が発行するテザー(USDT)や、仮想通貨取引所のコインベースが発行するUSDコイン(USDC)など、企業が発行主体となっているものが多い。
しかし、ダイの場合は前述のとおり、DeFiプラットフォーム「Oasis.app」に担保となる仮想通貨を預け入れることで、個人で発行できるようステーブルコインだ。
また、Oasis.appは企業ではなくDAO(MakerDAO)によって運営・管理されており、ダイは発行から管理までのすべてが、分散型(非中央集権型)の仕組みで成り立っていると言える。
DAOとは、ブロックチェーン技術を活用してつくられた、リーダー(中央集権体制)を用いずに自律的にプロジェクトを推進できる組織のことを指す。
「Decentralized Autonomous Organization」の略であり、日本語に翻訳すれば「分散型自律組織」となる。
決済手段以外にも様々なユースケースがある
そもそもステーブルコインとは、価格変動が大きく決済での利用に向かない通常の仮想通貨に代わるものとして、米ドルなどに連動して安定した価格を実現した仮想通貨であり、その1つであるダイも、様々なアプリやサービスにおける決済手段として活躍している。
しかし、ステーブルコインの用途は決済手段にとどまらず、特にDeFiプロトコルにおいて様々なユースケースがある。
例えば、DeFiのレンディングプラットフォームにダイを預け入れておけば、日本の銀行に資産を預けておくよりも、大きな金利収入を得ることができる。
また、通常の仮想通貨よりも価格変動のリスクが小さいことから、DEX(分散型取引所)のイールドファーミング(DEXなどに流動性を提供して、報酬を得る仕組みのこと)の預け入れ資産としても、好んで用いられている。
DAI(ダイ)の価格動向
ここで、米ドルペッグのダイが、どのぐらい米ドルとの連動を保っているのかを、過去の価格動向から確認してみよう。
過去1年間の価格動向
次のチャートは、2022年末から1年ほどのDAI/USD(ダイ/米ドル)のチャートで、縦軸を米ドルのレートとの変動幅(乖離率)にしたものだ。
これを見ると、ダイの価格は大抵、米ドルの価格と±0.1%程度、たまに大きく変動したときもおおむね、±1.0%程度の変動幅に収まって、米ドルとの連動が保たれていることがわかる。
ちなみにダイと同じように、米ドルの価格と連動したアルゴリズム型ステーブルコインの1つであるテラUSDは、2022年5月に米ドルとの連動が外れる騒動が起き、仮想通貨業界全体に大きな衝撃を与えた。
しかし、市場全体に影響を及ぼしたこのような騒動のさなかも、ダイは米ドルとの連動を維持し続けていた。
直近1カ月の価格動向
もう少し期間を縮め、本記事執筆時点から直近1カ月分ほどの、短期的なダイの価格動向も紹介しておこう。
若干の変動は見られるものの、比較的安定していることがわかるだろう。
ステーブルコインを保有してみたいという方は、DAIの保有も検討できる。
DAIは国内大手取引所であるコインチェックで購入することができるので、気になる方はぜひコインチェックの公式サイトもチェックしてみてほしい。
DAI(ダイ)を購入できる取引所
本記事執筆時点(2023年6月下旬)において、国内の仮想通貨取引所でダイを取り扱っているのは、コインチェックやGMOコインがある。
今回はコインチェックとGMOコインの基本情報や特徴を紹介しよう。
コインチェック
提供する取引の種類 | 現物取引(販売所・取引所) |
取り扱う仮想通貨 | 27種類 BTC、XRP、ETH、BCH、XEM、 LSK、LTC、ETC、XLM、MONA、 QTUM、BAT、IOST、ENJ、 SAND、DOT、PLT、FNCT、CHZ LINK、DAI、MKR、MATIC IMX、APE、AXS、WBTC |
その他のサービス | Coincheckつみたて Coincheck IEO Coincheck NFT Coincheckでんき Coincheckガス Coincheckアンケート 貸暗号資産サービス ステーキングサービス(β版) |
公式サイト | Coincheck公式サイト |
関連記事 | Coincheckの評判・口コミ |
コインチェックは、マネックス証券を中心とした金融グループ「マネックスグループ」傘下の仮想通貨取引所だ。
コインチェック は2018年にハッキングによる不正流出の被害に遭ったことがあるのだが、それを契機にマネックスグループに買収された。
マネックスグループの子会社となったあとは、グループが持つ高度な技術を用いて、強固なセキュリティ体制を構築し、安全な取引環境をユーザーに提供している。
取り扱う仮想通貨は27種類で、いずれもワンコイン(500円)から購入することができる。
また、シンプルで扱いやすい取引アプリが人気で、2019年から2022年にかけてダウンロード数No.1*を獲得している。*対象:国内の暗号資産取引アプリ、期間:2019年〜2021年、データ協力:AppTweak
GMOコイン
提供する取引の種類 | 現物取引(販売所・取引所) レバレッジ取引(販売所・取引所) |
取り扱い銘柄数 | 23種類 BTC、ETH、BCH、LTC、XRP、 XEM、XLM、BAT、OMG、XTZ、 QTUM、ENJ、DOT、ATOM、XYM、 MONA、ADA、MKR、DAI、LINK、 FCR、DOGE、SOL |
最小取引数量 (ダイの場合) |
現物取引(販売所):1DAI 現物取引(取引所):1DAI レバレッジ取引(販売所):取り扱いなし レバレッジ取引(取引所):取り扱いなし |
取引手数料 (ダイの場合) |
現物取引(販売所):無料、スプレッドあり 現物取引(取引所):Maker -0.01%、Taker 0.05% レバレッジ取引(販売所):取り扱いなし レバレッジ取引(取引所):取り扱いなし |
仮想通貨の送金手数料 | 無料 |
その他のサービス | つみたて暗号資産 貸暗号資産 ステーキング IEO API |
公式サイト | GMOコイン公式サイト |
関連記事 | GMOコインの評判・口コミ |
GMOコインは、オリコン顧客満足度で2年連続の1位*を獲得した人気の仮想通貨取引所で、国内最多クラスとなる23種類の仮想通貨を取り扱っている。*2021年・2022年 オリコン顧客満足度® 調査 暗号資産取引所 現物取引 第1位
GMOコインでは、現物取引とレバレッジ取引の2種類の取引形態を提供しているが、ダイは現物取引のみで取引が可能だ。
また、GMOコインには他の多くの仮想通貨取引所と異なり、仮想通貨を出金する際に手数料が一切かからないという、大きなメリットがある。
米ドルにペッグしたステーブルコインであるダイは、投資対象としてでなくDAppsやDeFiで利用するために買い求める方が大半になると考えられる。GMOコインは、手数料を気にせずにいつでもダイを出金することが可能なのでおすすめだ。
DAI(ダイ)の購入方法
今回は、GMOコインでダイを購入する方法について解説する。
「DAIを購入してみたい!」という方はぜひ参考にしてほしい。
- 仮想通貨取引所(GMOコイン)に口座を開設する
- 口座へ購入資金を入金する
- 取引ツールで値動きをチェックする
- 数量などを決めて購入する(注文を入れる)
なお、コインチェックでDAIを購入する際もほとんど同じ手順で購入することができるので、コインチェックでの購入を検討して居るという方もぜひお読みになってほしい。
仮想通貨取引所(GMOコイン)に口座を開設する
まず、GMOコイン公式サイトにアクセスして、口座開設を申し込もう。
GMOコインの口座開設、以下の5つステップで完了する。本人確認にスマホを使った「かんたん本人確認」を利用すれば、申し込みから最短10分で口座開設が完了して、すぐに取引を始めることができるのもポイント。
- 口座開設フォームからメールアドレスの登録
- パスワードと2段階認証の入力
- ユーザー情報の入力
- 本人確認(「画像アップロード」またはスマホでの「かんたん本人確認」)
- 口座開設コードの入力
口座へ購入資金を入金する
GMOコインの口座開設が完了したら、ダイを購入するための資金を口座へ入金しよう。
GMOコインへの入金方法には、インターネットバンキングを利用した「即時入金」と、銀行の窓口やATMなどから振り込む「振込入金」の2種類がある。
ただし、振込入金の場合は金額などに応じて、金融機関から振込手数料を徴収され、GMOコインの口座に振込が反映されるまでに時間を要することがある。その点、「即時入金」なら振込手数料がかからず、振込が即座に口座へ反映されてすぐに取引ができる。
即時入金を利用できる金融機関は限られているが、以下の一覧にある金融機関のインターネットバンキング口座があるなら、即時入金の利用がおすすめだ。
GMOあおぞらネット銀行、楽天銀行、住信SBIネット銀行、PayPay銀行、ゆうちょ銀行、みずほ銀行*、三井住友銀行*、三菱UFJ銀行(旧三菱東京UFJ銀行)*、りそな銀行*、埼玉りそな銀行*
*Pay-easyでの取引
取引ツールで値動きをチェックする
口座へ資金を入金して取引を始める準備が整ったら、まずは落ち着いてダイの値動きを確認しよう。
米ドル建てのダイ(DAI/USD)なら、米ドルとの連動が強いののそれほど問題ないが、GMOコインで取引できるダイは円建て(DAI/JPY)で米ドル/円のレートの影響を受けため、値動きをよく分析したうえで購入するタイミングを決める必要がある。
GMOコインの取引ツールは、PC版・スマホアプリ版ともに性能がよく、多彩な描画ツールやテクニカル分析指標を使って細かな値動きの分析ができる。
数量などを決めて注文を入れる
値動きを分析して購入するタイミングを決めたら、いよいよ実際にダイを購入しよう。
ちなみに、GMOコインの現物取引には、GMOコインとユーザーの間で取引をする「販売所」と、ユーザー同士で取引できる「取引所」の2種類が用意されている。
「取引所」を利用する場合は板(オーダーブック)に表示される気配値を見ながら、購入したいレートと数量を決めて注文を入れ、「販売所」を利用する場合は購入数量を指定、もしくは円で金額を指定することで、ダイを購入することができる。
それぞれに特徴はあるが、取引コストをできるだけ安く抑えたいなら「取引所」がよく、それよりも割高なコストだがGMOコインの提示するレートで手軽に購入したい場合は「販売所」を使うとよいだろう。
以上、GMOコインでダイを購入する方法を解説した。
ダイを取り扱っている国内の仮想通貨取引所は限られてはいるが、GMOコインなら仮想通貨の出金に手数料がかからないので、実用目的でダイを購入するのにぴったりだ。
まだ口座を持っていないなら、ぜひこの機会にGMOコインの利用を検討してみてほしい。
DAI(ダイ)の今後の見通し・将来性
最後に、ダイの将来性について考察してみよう。
- ステーブルコインの市場規模は拡大している
- ダイの需要拡大に期待できる
- ステーブルコインへの規制がおこなわれる可能性がある
ステーブルコインの市場規模は拡大している
従来の仮想通貨が抱える「価格変動が大きいことで実用に向かない」というデメリットを克服したステーブルコインは、市場規模が年々拡大しており、仮想通貨全体の時価総額でランキングトップ10に入っている銘柄もある。
また、今後も市場は拡大していくと見られていて、2025年には1兆ドルを超える市場規模になると予測する声もある。
以下は、ステーブルコインを時価総額順に並べたもので、ダイはステーブルコインの中では時価総額で4番手となっている。
これを見ると、上位3銘柄が圧倒的なシェアを誇っていて、寡占状態になりつつあるのはやや気になるが、ランキング上位にのダイにとっては、今後のステーブルコインの市場規模拡大は需要の下支えになってくれるだろう。
ダイの需要拡大に期待できる
ダイは、すでに様々なアプリやサービスなどで採用されており、MakerDAOの公式情報によると、採用先は400種類を超えている。
また、ダイはイーサリアムチェーンを基盤にしたステーブルコインで、イーサリアムチェーンでは日夜、DAppsの開発が進められていることから、将来的に誕生する新たなDAppsでダイが利用されることにも期待ができる。
ステーブルコインへの規制がおこなわれる可能性がある
一方、将来性に対して懸念すべき点もある。
それは、ステーブルコインに対して今後、何らかの法規制がかけられる可能性だ。
ステーブルコインの市場はここ数年で急速に拡大し、今では銘柄が100種類を超えるほど過熱しているが、残念ながらその中には価格安定の仕組みに不安を抱えているものもある。
そうした、まだ未成熟とも言える市場環境の中で起きてしまったテラUSDのディペッグ騒動は、主要各国の政府に重く受け止められており、ステーブルコインへの法規制に関する議論を活発化させることとなった。
今後、何らかの法規制がおこなわれれば、ダイの需要にマイナスの影響を与えてしまうことも十分に考えられるだろう。
DAI(ダイ)に関してよくある質問
最後に、DAIに関してよくある質問に答えていきたい。
- 仮想通貨DAIの安全性について教えてください
-
DAIは米ドル(USD)の価格に連動するステーブルコインであり、一般的な仮想通貨よりも価格が安定している。
また、ステーブルコインの時価総額ランキングでも4位に位置しており、ステーブルコインとしての安全性も比較的高いといえるだろう。
- DAIを購入できる仮想通貨取引所はどこですか?
-
本記事執筆時点(2023年6月下旬)において、国内の仮想通貨取引所でDAIを取り扱っているのは、コインチェックやGMOコイン、CoinBestがある。
「DAIを購入してみたい!」という方は国内大手取引所であるコインチェックがおすすめである。
まだコインチェックの口座をお持ちでないという方は、ぜひこの機会にコインチェックの公式サイトもチェックしてみてほしい。
DAI(ダイ)の予想まとめ
今回は、ステーブルコインの1種であるダイの特徴や、今後の見通しなどを解説した。
- ダイ(DAI)は、イーサリアムチェーンを基盤にした米ドルペッグのステーブルコイン
- 価値を裏付けるため、イーサリアムなどの仮想通貨を担保にしている
- DeFiプラットフォームへ仮想通貨を預け入れることで、個人による発行が可能
- ダイを購入するなら、500円から購入できるコインチェックがおすすめ!
ダイは、イーサリアムのトークン規格でつくられた、米ドルにペッグしたステーブルコインの1種だ。
様々なDAppsやDeFiプロトコルで採用されているので、決済目的や資産運用で使ってみたい方は、ダイの購入を検討してみてはいかがだろうか。
なお、本記事執筆時点(2023年6月下旬)で、ダイを取り扱っている仮想通貨取引所は国内に数社しかないが、その中のコインチェックなら、500円という少額からDAIを購入できるのでおすすめだ。
ダイに興味がある方は、ぜひこの機会にコインチェックの公式サイトもチェックしてみてほしい。