今回取り上げる「フォビトークン(Huobi Token、HT)」は、2018年に仮想通貨取引所のHuobi Globalが発行した、取引所トークンだ。
ビットコインやイーサリアムなどと比べると、ユースケースが限られているのだが、Huobi Globalが世界170カ国以上でサービスを展開する業界大手であることから、その取引所トークンであるフォビトークンの需要も大きく、時価総額ランキングでは57位*につけるほどの人気銘柄となっている。*2023年2月9日時点、CoinMarketCap調べ
この記事では、そんなフォビトークンについて、主な特徴やこれまでの値動き、今後の見通しなどを解説していく。
- フォビトークンは、大手仮想通貨取引所のHuobi Globalが2018年1月に発行した取引所トークン
- フォビトークンを扱っている国内の仮想通貨取引所は、BitTrade(ビットトレード)のみ
- BitTrade(ビットトレード)では、フォビトークンを一定数保有すると、取引手数料が割引される
- 毎月おこなわれるトークンバーン(焼却)によって、少しずつ希少価値が上がっている
本記事執筆時点(2023年2月時点)で、国内でフォビトークンを取り扱っているのは、Huobiグループ傘下の仮想通貨取引所であるBitTrade(ビットトレード)だけだ。
フォビトークンに興味がある方はぜひ、この機会にBitTrade(ビットトレード)公式サイトをチェックしてみてほしい。
仮想通貨HT(フォビトークン)とは?
名称 | Huobi Token、フォビトークン |
ティッカーシンボル・通貨単位 | HT |
ローンチ時期 | 2018年1月 |
トークン規格 | ERC20(イーサリアム) |
総発行枚数・発行上限枚数 | 5億枚 |
価格 | 936円/HT |
時価総額 | 1,092億2,700万円 |
時価総額ランキング | 57位 |
取り扱いのある仮想通貨取引所 | BitTrade(ビットトレード) |
フォビトークン(Huobi Token、HT)は、Huobiグループが手がける海外の仮想通貨取引所「Huobi Global」が、2018年1月に発行・公開した取引所トークンだ。
発行上限枚数は5億枚で、そのすべてが最初に発行済みであり、追加発行されることはない。
Huobiグループが手がける日本の仮想通貨取引所「BitTrade(ビットトレード)」でも取り扱われており、BitTrade(ビットトレード)ではフォビトークンを保有することで、取引手数料の割引を受けられる。
時価総額は約1,000億円で、時価総額ランキングでは57位*にランクインしている。*2023年2月9日、CoinMarketCap調べ
仮想通貨HT(フォビトークン)の特徴
フォビトークンには、主に次のような特徴がある。
- Huobiグループの取引所トークンである
- 保有するとBitTrade(ビットトレード)で、取引手数料の割引を受けられる
- トークンバーン(焼却)によって、希少価値をコントロールしている
Huobiグループの取引所トークンである
先ほども述べたように、フォビトークンは、中華系の大手仮想通貨取引所「Huobi Global」が2018年に発行した、取引所トークンだ。
Huobi Global以外にも、同じくHuobiグループ傘下の仮想通貨取引所であるBitTrade(ビットトレード)を含め、世界中の約30社の仮想通貨取引所で取り扱われている。
Huobi Globalでは、フォビトークンを保有することで、取引手数料の割引を受けられたり、ガバナンスに参加する権利を得られたりと、複数の特典を受けられるようになっている。
保有するとBitTrade(ビットトレード)で、取引手数料の割引を受けられる
BitTrade(ビットトレード)において、フォビトークンは以下のような独自の用途を与えられている。
送金用途:
フォビトークンを利用した送金ができる
決済用途(予定):
フォビトークンを利用した決済サービスの提供が予定されている
取引:
日本円でフォビトークンを売買できるほか、Huobiトークン建てで他の仮想通貨を取引することもできる
取引手数料の割引:
フォビトークンの保有量と、直近30日間の累計取引量に応じて、取引手数料の割引を受けられる
ガバナンス用途(予定):
フォビトークンによる投票の管理機能、フォビトークンの運用プランでの管理投票での利用が予定されている
BitTrade(ビットトレード)では、Huobi Globalと違って、フォビトークンによる決済サービスやガバナンス機能が、本記事執筆時点(2022年11月下旬)だと未実装だ。他の仮想通貨と異なるユニークな用途は、取引手数料の割引を受けられることのみとなっている。
手数料の割引率は以下のとおり。フォビトークンを多く保有、かつ日々たくさんの取引をして、LV.08に到達した場合は、取引所での取引手数料が一切かからなくなる。
トークンバーン(焼却)によって希少価値をコントロールしている
トークンバーン(焼却)とは、仮想通貨の運営者が、発行済み通貨の一部を流通から永遠に取り除く行為のことだ。
Huobi Globalもフォビトークンのバーンをおこなっており、前月収益の約20%に相当するフォビトークンを毎月バーンすることで、流通量と希少価値をコントロールしている。
これまで焼却された数量は、本記事執筆時点(2022年11月下旬)で約2億9,500万枚であり、すでに総発行枚数(5億枚)の半分以上が消失していることになる。
仮想通貨HT(フォビトークン)の価格動向
ここで、フォビトークンのこれまでの価格動向を確認しておこう。
過去3年間の価格動向
まず、2019年11月から本記事執筆時点(2022年11月下旬)までの価格動向を、HT/USDT(テザー、米ドルに連動するステーブルコイン)のチャートで振り返っていこう。
過去3年の値動きを見ると、フォビトークンは2021年に一時、大きく高騰していることがわかる。
この高騰は、フォビトークンそのものの要因よりも、マクロ経済の動向に起因している。
2020年に新型コロナが世界中で流行すると、各国政府は経済を支えるために金融緩和政策を取るように。それによって生まれた余剰資金が流れ込んできて、フォビトークンのみならず、仮想通貨市場全体が金余り相場(過剰流動性相場)となった。
ただ、高騰の勢いは長続きせず、2021年5月中頃をピークに一転して急落、急落した後は本記事執筆時点(2022年11月下旬)まで1年以上に渡り、緩やかな下落トレンドが続いている。
なお、このように長引く下落トレンドにも、マクロ経済の動向が強く影響している。
新型コロナの感染が落ち着いたのち、世界経済が元の姿を取り戻そうと活発になると、人員や物資の供給不足などの要因から、各国が高インフレの状態に陥った。
インフレを抑えるために、各国政府は金融引き締め政策を取るようになり、その政策による景気悪化の懸念から、リスク資産を扱う仮想通貨市場から、いち早く投資資金が引き揚げられ、長らく市場全体が冷え込むこととなった。
ただ、金融引き締め政策は永遠に続くわけではない。インフレ抑制の効果が表れて各国が政策のペースを緩める、もしくは政策を終了する段階がくれば、再び活況な市場に戻る可能性は十分にある。
直近1カ月の価格動向
次に、本記事執筆時点(2022年11月下旬)から遡って、直近1カ月の価格動向も確認しておこう。
この1カ月を見ると、前半は値動きに方向性を感じられないが、2022年11月8日頃から明確に下落トレンドを形成していることがわかる。
この下落の主要因は、仮想通貨取引所のFTXの経営不振が、市場全体に動揺を招いたことだと見られている。
11月8日にFTXが経営不振に陥っていると報道されると、FTXが世界で指折りの取引高を誇る業界大手だったことから、仮想通貨市場が大きな動揺。フォビトークンのみならず多くの銘柄で、価格の下落が発生した。
フォビトークンはその後、11月21日頃からやや復調しているが、下落前の水準には本記事執筆時点で至っていない。
余談だが、FTXは11月11日にアメリカの裁判所に対して破産申請をおこなっており、FTXグループ全体の債権者は100万人を超えると見られている。
こうした事態を各国政府は重く受け止めており、今後何らかの法規制に動く可能性もあるので、FTX関連の続報には今後しばらく、注意を払っておいた方がよいだろう。
仮想通貨HT(フォビトークン)を購入できる取引所
フォビトークンの取り扱いがある仮想通貨取引所は、国内だとBitTrade(ビットトレード)のみだ。ここではBitTrade(ビットトレード)の基本情報と特徴を紹介していく。
BitTrade (ビットトレード)
提供する取引の種類 | 現物取引(販売所・取引所) レバレッジ取引(販売所) |
取り扱う仮想通貨 | 26種類 BTC、HT、XRP、ETH、LTC、 BCH、XEM、XLM、MONA、ETC、 BAT、ONT、TRX、QTUM、XYM、 LSK、ADA、DOT、ENJ、IOST、 BSV、 JASMY、OMG、COT、XTZ、 DEP |
最小取引数量 (HT/JPYの場合) |
現物取引(販売所):1 HT 現物取引(取引所):買い2円、売り0.1 HT(成行注文の場合) レバレッジ取引(販売所):取り扱いなし |
取引手数料 (HT/JPYの場合) |
現物取引(販売所):無料、スプレッドあり 現物取引(取引所):Maker 0.00%~0.10%、Taker 0.00%~0.20% レバレッジ取引(販売所):取り扱いなし |
仮想通貨の送金手数料 (フォビトークンの場合) |
無料 |
その他のサービス | 貸暗号資産 |
公式サイト | BitTrade(ビットトレード)公式サイト |
関連記事 | BitTrade(ビットトレード)の評判・口コミ |
BitTrade(ビットトレード)は、世界170カ国以上で数千万人のユーザーに対してサービスを展開している、Huobiグループ傘下の仮想通貨取引所だ。
取り扱う仮想通貨は、フォビトークンやビットコイン、イーサリアムなど26種類で、それらに対して2円から投資(取引所を利用する場合)することができる。
また、日本円建てだけでなく、ビットコイン建てやフォビトークン建てでの取引もできるため、通貨ペアで見ると国内最多となる58種類の通貨ペアが揃う。
ちなみに、フォビトークンの通貨ペアは販売所・取引所それぞれで以下のとおりだ。
取引所(7種類)
HT/JPY(日本円)、HT/BTC(ビットコイン)、HT/ETH(イーサリアム)、XRP(リップル)/HT、BCH(ビットコインキャッシュ)/HT、LTC(ライトコイン)/HT 、ETC(イーサリアムクラシック)/HT
販売所(6種類)
HT/JPY、HT/BTC、HT/ETH、XRP/HT、BCH/HT、LTC/HT
ぜひこの機会にBitTrade(ビットトレード)の利用を検討してみてはいかがだろうか。
仮想通貨HT(フォビトークン)の購入方法
続いては、BitTrade(ビットトレード)を使って、フォビトークンを購入する方法を確認していこう。
- BitTrade(ビットトレード)で口座を開設する
- 口座に購入資金を入金する
- 取引の形式(販売所または取引所)を決める
- 数量などを決めて購入する
BitTrade(ビットトレード)で口座を開設する
まずはBitTrade(ビットトレード)公式サイトにアクセスして、口座開設を申し込もう。
BitTrade(ビットトレード)での口座開設手続きの手順は以下のとおり。本人確認の方法は、スマホによる「かんたん本人認証」と郵送ハガキによる本人確認の2種類がある。
スマホによる「かんたん本人認証」を利用した場合は、最短で申し込みをしたその日の内に、口座開設が完了する。
- メールアドレス・パスワードの登録
- セキュリティ認証
- 基本情報の登録
- 本人確認
口座に購入資金を入金する
口座開設が完了したら、次はその口座にフォビトークンを購入するための資金を入金しよう。
Bitでの入金方法は「振込入金」「クイック入金」「クイック入金(ペイジー入入金)」「コンビニ入金」があり、それらの仕様は以下のとおりだ。
入金方法 | 入金反映時間 | 手数料 (税込) |
入金額 | 利用できる 金融機関・コンビニ |
---|---|---|---|---|
振込入金 | 原則1時間程度 | 振込手数料を自己負担 | 制限なし | どの金融機関でも可 (ATM・銀行窓口など) |
クイック入金 | 原則20分程度 | 無料 | 1,000円〜 | 住信SBIネット銀行 PayPay銀行 |
クイック入金 (ペイジー入金) |
原則20分程度 | 入金額に応じて 695円~1,005円 |
1,000円+手数料 〜 9,999,999円 (手数料含む) |
ペイジーが使える金融機関 |
コンビニ入金 | 原則20分程度 | 入金額に応じて 695円~1,005円 |
1,000円+手数料 〜 30万円 (手数料含む) |
ファミリーマート ローソン ミニストップ セイコーマート |
先ほど紹介したとおり、フォビトークンは日本円建てだけでなく、ビットコイン建てやイーサリアム建てでの取引にも対応している。
すでに保有しているビットコインやイーサリアムなどを、BitTrade(ビットトレード)のウォレットに送金すれば、日本円を使わずに、それらの仮想通貨でフォビトークンを購入することも可能だ。
取引の形式(販売所または取引所)を決める
BitTrade(ビットトレード)の現物取引の取引形式は、BitTrade(ビットトレード)とユーザーの間で取引をする「販売所」と、ユーザー同士で取引できる「取引所」の2種類がある。
販売所 | 取引所 | |
---|---|---|
概要 | 仮想通貨取引所とユーザーの間で取引 | 仮想通貨取引所のユーザー同士で取引 |
メリット | 仕組みがシンプルで、約定力も高い | 販売所よりも取引コストを抑えられる |
デメリット | 取引コスト(スプレッド)が割高である | 必ずしも注文が成立するとは限らない |
フォビトークンもこれら2つの取引形式に対応しているので、取引の前にどちらを使うのかを決めよう。
取引コストをできるかぎり抑えたい方は「取引所」、取引コストが割高になっても、BitTrade(ビットトレード)が提示する価格で手軽に取引をしたい方は、「販売所」を利用するとよいだろう。
数量などを決めて購入する
取引形式を決めたら、いよいよフォビトークンを購入してみよう。
販売所の仕組みは非常にシンプルであり、日本円での購入金額、もしくはフォビトークンでの購入数量を指定して、購入の注文(成行注文)を出すだけでOKだ。
取引所はどうかというと、成行注文ができるのはもちろん、オーダーブック(板)を参考にしながら、購入したいレートを指定する「指値注文」で、フォビトークンを購入することも可能だ。
以上、BitTrade(ビットトレード)を使って、フォビトークンを購入する方法を解説した。
繰り返しになるが、フォビトークンの取り扱いがあるのは国内だとBitTrade(ビットトレード)だけだ。興味がある方はこの機会に、BitTrade(ビットトレード)公式サイトを覗いてみるとよいだろう。
仮想通貨HT(フォビトークン)の今後の見通し・将来性
最後に、フォビトークンの将来性について考察してみよう。
- 仮想通貨取引所のユーザーに買い支えられている
- トークンバーンで徐々に流通量が減少していく
- ユースケースが増えていく見込みである
仮想通貨取引所のユーザーに買い支えられている
先ほども述べたように、Huobiグループは世界170カ国以上で、数千万人のユーザーに対してサービスを展開している。
また、手数料割引などの特典を受けられるため、多くのユーザーがフォビトークンを長期保有していると思われる。
仮想通貨は、類似の性能を持つ競合に、需要の獲得競争で敗れ、自然淘汰されていくケースも多くある。
一方で、取引所ユーザーからの安定した需要を持つフォビトークンは、Huobiグループによほどのトラブルなどがない限り、少なくとも淘汰されるようなことはないだろう。
トークンバーンで徐々に流通量が減少していく
前述のとおり、Huobi Globalは前月の収益の約20%に相当するフォビトークンを、毎月バーン(焼却)している。
そして、フォビトークンは総発行枚数の5億枚がすでに発行済みで、永久に追加発行されることはない。
したがって、Huobi Globalがトークンバーンをやめない限りは今後も、毎月少しずつフォビトークンの希少価値は上がっていく。
ユースケースが増えていく見込みである
フォビトークンは、例えば旅行サイトの「Travela.com」で、決済手段の1つに採用されている。
現状、フォビトークンを決済に利用できるサイトやアプリは限られているが、将来的にはより多くのサイトなどで、フォビトークンが利用できるようになる見込みだ。
ユースケースが増えれば、需要も増して、フォビトークンの価格にも良い影響が表れるかもしれない。
仮想通貨HT(フォビトークン)の予想まとめ
今回はフォビトークンについて、その特徴や今後の見通しなどを解説した。
- フォビトークンは、仮想通貨取引所のHuobi Globalが2018年に発行した取引所トークン
- 発行上限枚数の5億枚がすべて発行済みであり、永久に追加発行されることはない
- BitTrade(ビットトレード)で取り扱いがあり、一定数を保有すると取引手数料の割引を受けられる
- トークンバーン(焼却)によって、流通量と希少価値がコントロールされている
フォビトークンは、仮想通貨取引所のHuobi Globalが手がけている取引所トークンであり、同じHuobiグループ傘下のBitTrade(ビットトレード)でも取り扱われている。
保有することにより、Huobi GlobalやBitTrade(ビットトレード)で取引手数料の割引などの特典を受けられるため、投資目的としてだけでなく、そうした特典をメインの目的として保有している投資家も数多くいることだろう。
この記事を通して、フォビトークンおよびBitTrade(ビットトレード)に興味を持った方は、BitTrade(ビットトレード)の利用を検討してみてはいかがだろうか。