現代の代表的なネットワークサービスの多くは、GoogleやAmazonなどの大手IT企業にユーザーの個人情報をゆだねることで成り立っている。
しかし、こうした管理者が存在する中央集権的な仕組みの場合、サイバー攻撃などを受けて個人情報が流出する可能性があるという脆弱性もはらんでいる。
今回取り上げる「JasmyCoin」は、IoT向けのプラットフォームなどを提供するジャスミー株式会社が開発している、IoTとブロックチェーンの技術を組み合わせ、個人情報を自ら安全に管理できるようになる「データの民主化」のためのエコシステム上で使用することを想定した仮想通貨だ。
この記事では、JasmyCoinの主な特徴やこれまでの価格の値動き、今後の見通しなどを解説していく。
- JasmyCoinは、ジャスミー株式会社が発行している日本発祥の仮想通貨(暗号資産)
- ジャスミー株式会社は、「データの民主化」を基本思想に掲げたエコシステムの開発をおこなっている
- JasmyCoinは、2021年初頭に急騰したあとすぐに暴落し、現在は目ぼしい値動きが見られなかった
- 2024年12月現在は再上昇中
- 2022年3月、ネット掲示板「Reddit」からJasmyCoinへのラグプル(出口詐欺)疑惑が浮上した
- ラグプルの疑惑に対し、ジャスミー株式会社側は特に弁明していない
JasmyCoinは2021年初頭に急騰したもののすぐに暴落し、2021年6月以降は目ぼしい値動きが見られていなかった。
もし、将来的な値上がりに期待できると判断してJasmyCoinへ投資するなら、数少ない国内での取り扱い先の1つとなるBITPOINTのことも、ぜひチェックしてほしい。
ジャスミー(JMY)とは?
名称 | JasmyCoin(ジャスミーコイン) |
ティッカーシンボル | JASMY、JMY |
発行元 | ジャスミー株式会社 |
価格* | ¥7.22 |
時価総額* | ¥356,077,349,934.57 |
時価総額ランキング* | 63位 |
取り扱いのある仮想通貨取引所 |
BITPOINT BitTrade |
JasmyCoin(JMY)は、日本法人のジャスミー株式会社が発行している、イーサリアムチェーンのトークン規格「ERC-20」に準拠した仮想通貨だ。
ジャスミー株式会社(以下、ジャスミー社)は、IoT向けのプラットフォームやソリューションの提供をおこなっており、JasmyCoinはジャスミー社が構築するエコシステム上の、様々な用途で使用することが想定されている。
JasmyCoinは日本発の仮想通貨であるものの、海外の仮想通貨取引所への上場が先となり、日本では2021年10月にBITPOINTで国内初の上場を果たした。
なお、本記事執筆時点(2024年12月)ではBITPOINTに加え、BitTrade(ビットトレード)もJasmyCoinを取り扱っている。
ジャスミー(JMY)の特徴
ジャスミー社が手がける事業と仮想通貨のJasmyCoinには、主に次のような特徴がある。
- 「データの民主化」の普及を目指すプロジェクト
- 日本発の数少ない仮想通貨の1つ
- 日本だけでなく、海外での事業展開も目指している
「データの民主化」の普及を目指すプロジェクト
現代の代表的なネットワークサービスは、GoogleやAmazonなどのIT企業によって提供されているものが多く、ユーザーには様々なサービスを低コストで利用できるという恩恵がある。
しかし、利便性は高いものの、ユーザーの個人情報や利用履歴などが企業側に管理されているため、ときにはサイバー攻撃や人為的なミスによって、個人情報が大量に流出するなどのトラブルが起きることも想定される。
ジャスミー社は、ブロックチェーンとIoTの技術を用いて構築した「ジャスミー IoTプラットフォーム」などによって、情報を企業ではなくユーザーが自ら管理する、「データの民主化」の実現を目指している。
JasmyCoinは、データが民主化されたジャスミーのエコシステム上で様々な役割に用いられるが、その役割の1つに、ユーザーが自身のデータを他者へ提供したときに得られるリワード(対価)にもJasmyCoinが使われる。
日本発の数少ない仮想通貨の1つ
日本では仮想通貨の発行者に対する課税割合などが諸外国と比較して大きいことから、独自の仮想通貨を発行するハードルはそれなりに高い。
そうした背景がある中で、JasmyCoinは元ソニー株式会社社長の安藤 国威(くにたけ)氏らを中心として2016年に設立された日本法人、「ジャスミー株式会社」が発行する、数少ない日本発祥の仮想通貨の1つとして知られている。
海外で誕生した仮想通貨のホワイトペーパーや公式サイトなどは当然のごとく英語表記だが、JasmyCoinは日本発祥の仮想通貨なので、JasmyCoinに関する情報はすべて日本語表記で公表されているのも特徴だ。英語が苦手な人にとって、海外で誕生した仮想通貨の仕様や最新の情報を知るのは大変だが、JasmyCoinなら日本の投資家にとって情報も入手しやすいという点は、メリットの1つになるだろう。
日本だけでなく、海外での事業展開も目指している
ジャスミー社は日本の企業だが、海外での事業展開を進めるため、北米とアジア地域を中心とした海外拠点を早期に設立することを2022年1月に発表している。
また、拠点の設立と併せ、ブロックチェーンやAIなどの先端技術を持つ企業や、IoTにおけるチップやモジュールの開発・生産能力を持つ企業との事業提携も積極的に進めていく見込みだ。
ジャスミー(JMY)の価格動向
ここで、JasmyCoinのこれまでの価格の動向を確認しておこう。
初上場から現在までの価格の動向
まずは、海外市場へ初上場した2021年1月から本記事更新時点(2024年12月)までの価格の動向を、JASMY/USDTチャートで確認してみよう。
これを見ると、JasmyCoinは海外市場への初上場を果たすとすぐに高騰したものの、その後は細かい反発を挟みながらも上場直後の価格を割り込む水準まで下落して、2021年6月以降はほぼ横ばいの推移を続けていることがわかる。
2021年10月頃の小幅な上昇は、国内の仮想通貨取引所のBITPOINTに上場したことが原因だったが、その動きも長くは続かず、現在は安値圏で揉み合っている。
この価格の低迷は、JasmyCoinが仮想通貨のコミュニティからラグプル(Rug pull)の疑いをかけられていることも要因の1つだ。
ラグプルとは、開発者が集めた資金を持ち逃げする出口詐欺のことで、2022年3月、アメリカの掲示板型ソーシャルニュースサイト「Reddit」に、“JasmyCoinはラグプルである”と警告する記事が投稿された。
JasmyCoinは、パブリックブロックチェーンのイーサリアムチェーンを基盤にしているため、JasmyCoinを保有するウォレットのアドレスやJasmyCoinの移動の様子は、イーサリアム用ブロックチェーン・エクスプローラーの「Etherscan」で自由に確認することができる。
問題の記事の投稿者がEtherscanでJasmyCoinの情報を見たところ、1つのウォレットが大量のJasmyCoinを保有していて、そこから毎回5億JASMY分のJasmyCoinが複数のウォレットアドレスへ定期的に送金され、さらにそこから別のウォレットへと細かく送金されていたことが判明したそうだ。
ウォレットは匿名なので、大量のJasmyCoinを保有するウォレットが開発者のものであるという確証はないが、記事の投稿者はこの特殊な動きから、JasmyCoinの開発者が追跡を逃れるよう、大量のJasmyCoinを複数のウォレットに分散しつつ、売り浴びせ行為(ダンプ)を仕掛けていたと主張している。
さらに、JasmyCoinには、CoinMarketCapなどのデータアグリゲーターで表示されるJasmyCoinの流通量と、Etherscanで確認できる流通量が一致していないという、流通量の虚偽疑惑もある。
どちらも真偽のほどは定かではないが、こうした情報がSNSを通じて拡散されたことが多くの投資家に疑念を抱かせ、JasmyCoinの価格を低迷させる一因となっているのは確かのようだ。
直近の価格動向
次に、2024年1月から本記事更新時点(2024年12月)から直近の価格の動向も確認しておこう。
長期価格動向では低迷しているように見えたJasmyだが、現在は大きく上昇していることが分かる。
2024年前半はビットコインの現物ETFが承認された影響で、Jasmy含む仮想通貨全体での上昇が見られていた。
また、同時期にはJasmyに対する期待値の高さも現れていると言えるだろう。
日本の経済産業省では、仮想通貨プロジェクトを後押しする方針が見られており、規制緩和の流れが強まっている。
規制緩和が日本の仮想通貨エコシステム内を急成長させる可能性があると投資家に捉えられており、日本発のプロジェクトであるJasmyに買いが集中した形だ。
また、2024年6月以降は徐々に下降していたが、直近では仮想通貨に友好的な姿勢を示すドナルド・トランプ氏が米大統領選に勝利したことで、JASMY含む仮想通貨市場全体が上昇傾向にある。
2024年11月20日には、韓国大手の暗号資産取引所Upbitで上場されたこともJASMYの上昇に影響を与えたと言えるだろう。
しかし、2024年12月のFOMCでFRBがタカ派姿勢を見せたことから再度下落しているので、今後仮は押し目を付けて反発できるかが重要になってくるだろう。
ジャスミー(JMY)を購入できる取引所
JasmyCoinへ投資するならタイミングをしっかり見極める必要があるが、上昇の芽が出始めたときにすぐに取引ができるよう、あらかじめJasmyCoinを取引できる仮想通貨取引所がどこかを知っておくことは重要だ。
本記事執筆時点(2024年12月)で、国内ではBITPOINTとBitTradeの2社がJasmyCoinを取り扱っている。
ここではその中から、おすすめのBITPOINTをピックアップして、基本情報や特徴を紹介する。
BITPOINT
提供する取引の種類 | 現物取引(販売所・取引所) |
取り扱う仮想通貨 | 27種類 |
最小取引数量 (JasmyCoinの場合) |
現物取引(販売所):買い注文500円、売り注文0.00000001JMY 現物取引(取引所):取り扱いなし |
取引手数料 (JasmyCoinの場合) |
現物取引(販売所):無料、スプレッドあり 現物取引(取引所):取り扱いなし |
仮想通貨の送金手数料 | 無料 |
その他のサービス | 貸して増やす(レンディングサービス) ステーキング |
公式サイト | BITPOINT公式サイト |
関連記事 | BITPOINTの評判・口コミ |
BITPOINTは、東証プライムに上場している、SBIホールディングス傘下の仮想通貨取引所。
新しい仮想通貨の取り扱いに力を入れており、JasmyCoinだけでなく、トロン(TRX)、エイダコイン(ADA)、クレイ(KLAY)なども、BITPOINTが日本で最初に取り扱いを開始している。
本記事執筆時点の取り扱い通貨は全部で27種類あり、販売所の取引形態ならすべての通貨を500円という少額から投資できるのが最大の特徴だ。
また、BITPOINTは純粋な仮想通貨の取引だけでなく、保有している仮想通貨を貸し出すことで貸借料を得られるレンディングサービスの「貸して増やす」も手がけている。
銘柄によっては高い利回りも期待できるので、レンディングサービスによる金利収益を目的に、BITPOINTへ口座を作っておくのもおすすめだ。
ジャスミー(JMY)の購入方法
次に、BITPOINTで実際にJasmyCoinを購入する方法を紹介しよう。
- BITPOINTに口座を開設する
- 購入資金を入金する
- 「販売所」でJasmyCoinを購入する
BITPOINTに口座を開設する
まずは、BITPOINT公式サイトにアクセスして口座開設を申し込もう。
BITPOINTでの口座開設手続きの流れは、以下のとおりだ。
- メールアドレスと携帯電話番号の登録
- ログインパスワードの設定
- 個人情報の入力
- 本人確認書類のアップロード
口座開設は無料で、速ければ最短で申し込んだその日のうちに取引を始められるので、興味がある方はこの機会にBITPOINTの口座開設を検討してみてほしい。
購入資金を入金する
口座開設が完了したら、JasmyCoinを購入するための資金を口座に入金しよう。
BITPOINTには銀行の窓口やATMから振り込む「振込入金」と、提携する金融機関のインターネットバンキングを利用した「即時入金」の、2種類の入金方法がある。
ただし、即時入金には以下の3つの金融機関しか対応していないので、それ以外の金融機関の口座から資金を入金する場合は、振込入金しか方法がない点には注意したい。
- PayPay銀行
- 住信SBIネット銀行
- イオン銀行
「販売所」でJasmyCoinを購入する
BITPOINTの現物取引には、BITPOINTとユーザーの間で取引をする「販売所」と、ユーザー同士で取引できる「取引所*」の2種類の取引形式があるが、JasmyCoinは「販売所」でしか取り扱いがない。*BITPOINTでの表記は「BITPOINT PRO」
しかし、販売所は取引所よりも約定力が高く、日本円での購入金額かJasmyCoinの購入数量のどちらかを設定して注文を出すだけなので、簡単に取引できるというメリットがある。
以上、BITPOINTでJasmyCoin を購入する流れを紹介した。
現在のJasmyCoinは非常に値動きが乏しいので、すぐに投資するなら短期的な値動きに期待するのではなく、長期的な保有を覚悟で将来的な値上がりを期待するか、BITPOINTに保有するJasmyCoinを貸し付けて、レンディングサービスで金利収益を得るのが有効な戦略になるだろう。
JasmyCoinに興味がある方は、ぜひこの機会にBITPOINTの利用を考えてみてほしい。
ジャスミー(JMY)の今後の見通し・将来性
最後に、JasmyCoinの将来性を考察してみよう。
- がん治療に対する支援金を暗号資産で提供する仕組みを実現
- ロードマップに沿って開発が進められている
- 「データの民主化」が普及するのか不透明
- ラグプル(出口詐欺)の疑いが晴れていない
がん治療に対する支援金を暗号資産で提供する仕組みを実現
仮想通貨JASNYを発行するジャスミー株式会社は、がんの治療に関するプロジェクトを立ち上げており大きな話題になっている。
個人のゲノム解析データをブロックチェーン技術によって厳重に管理し、がん治療に対する支援金を暗号資産で提供する仕組みを実現している。
技術面では、互換性が難しいとされてきたIoT技術と、ブロックチェーンをはじめとする先端的なWeb3テクノロジーを独自のアプローチで組み合わせ、業界や業種を問わず幅広く利用可能なプラットフォームを実現した。
究極の機密情報ともいえるゲノムデータを管理するために、独自の特許技術とブロックチェーンを活用した「Jasmy Personal Data Locker」をさらに強化・進化させた仕組みを開発している。
また、Web3の理念の一つであるDAO(分散型自律組織)を応用し、ゲノム研究への参加に対する報酬制度「ジャスミー研究支援見舞金(Mutual Aid Payment、MAP)」を導入。これにより、ジャスミーが発行する暗号資産「ジャスミーコイン」を活用した報酬提供が可能となった。
ロードマップに沿って開発が進められている
ジャスミー社は、「普及期」「価値成長期」「エコシステム拡大期」「データマーケットプレイス確立期」の4つのフェーズに分けた、長期的なロードマップを設定している。
それぞれのフェーズの区切りはロードマップ上には示されず、現段階でどのフェーズまで進んでいるかのアナウンスもないが、仮にロードマップどおりに開発が進み、その成果が目に見える形で表れるようになれば、ユーザーや投資家の信頼を獲得することができる可能性がある。
「データの民主化」が普及するのか不透明
DeFi(分散型金融)プロトコル、ブロックチェーンゲーム、NFTなどのブロックチェーン関連の事業の場合、次々に優れたプロダクトが誕生して市場規模の拡大が続いていることは、データアグリゲーターなどで明確な数値として確認できる。
しかし、ジャスミー社が手がける「データの民主化」の普及を目指すプロジェクトは、代表的なブロックチェーン関連事業に比べるとニッチなジャンルで、少なくとも現段階では、市場規模が大きく拡がっていくような勢いは感じられない。
「データの民主化」が理想論で終わってしまうケースも絶対にないとは言い切れないため、JasmyCoinへの投資を検討するなら、そのような可能性も常に考慮したうえで投資戦略を立てる必要があるだろう。
ラグプル(出口詐欺)の疑いが晴れていない
前述のとおり、JasmyCoinは2022年3月に掲示板サイトのReddit上で、ラグプル(出口詐欺)の疑惑が浮上した。
この疑惑はSNSやYouTubeを通じて投資家の間に広く知れ渡ったが、開発元のジャスミー社はこの件に関し、いまだに一切の言及や弁明をおこなっていない。
仮想通貨市場には非常に多くの銘柄が存在するので、このような疑惑つきの銘柄が投資対象として選択されにくいのは当然だ。開発元のジャスミー社には、疑惑に対する明確な見解だけでなく、その疑惑を払しょくし、さらに大きな成果を上げることが期待されるだろう。
ジャスミー(JMY)のまとめ
今回は、JasmyCoinの特徴や、今後の見通しなどを解説した。
- JasmyCoinは、IoT向けのプラットフォームを手がけるジャスミー社が発行する日本発祥の仮想通貨
- ジャスミー社は日本の企業だが、北米やアジア圏での事業展開も目指している
- JasmyCoinは上場直後こそ上昇したが、その後は上場後の価格を大きく割り込んで低迷を続けている
- JasmyCoinにはラグプル(出口詐欺)疑惑があり、ジャスミー社は弁明をおこなっていない
今のうちにJasmyCoinを取り扱っている仮想通貨取引所に口座を開設しておけば、チャンスが来たときにすぐ取引ができて相場な流れに乗ることも可能になる。
JasmyCoinに少しでも興味があるなら、レンディングサービスを活用した長期目的の保有にもおすすめできるBITPOINTの公式サイトを、今のうちにチェックしておきたい。