レイヤー2とは、基本的なネットワークであるレイヤー1(イーサリアムなど)の上に構築された別のネットワークのことである。レイヤー2は、レイヤー1のセキュリティを継承しながら、レイヤー1の外でトランザクション(データのやりとり)を処理する。
代表的なレイヤー1ネットワークにイーサリアムがある。レイヤー2を構築することにより、イーサリアムのスケーラビリティ問題やスループットを改善することができる。
本記事ではイーサリアムのレイヤー2を中心に、レイヤー2の特徴、将来性などについて詳しく解説する。
- レイヤー2は、レイヤー1の上に構築された別のネットワークのことである
- レイヤー2はスケーラビリティ問題を解決するために開発されている
- レイヤー2には、オプティミスティック・ロールアップ、ZK Rollupsなどの種類がある
- 仮想通貨(暗号資産)取引を始めるなら、国内大手取引所のコインチェックが利用できる
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レイヤー2とは?
レイヤー2とは、イーサリアムなどの基本的なネットワークであるレイヤー1の上に構築された別のネットワークのことである。代表的なレイヤー1ネットワークにイーサリアムがある。イーサリアムの上にレイヤー2を構築することで、イーサリアムの性能を向上させることができる。
ユーザー数の拡大と共にイーサリアムのネットワークが急速に成長する過程で、イーサリアムにおける処理速度の低下、ガス代の高騰というスケーラビリティ問題への対応が求められている。
より速く、より多くのトランザクション処理を行うことが求められるなか、これらの課題を解決するためにレイヤー2が開発されている。
レイヤー2は、レイヤー1のセキュリティを継承しながら、レイヤー1の外でトランザクションを処理する。
レイヤー2の主な目的は、分散化や、セキュリティを犠牲にせずにトランザクション(データのやりとり)のスループット(トランザクション数)を高めることである。
レイヤー2の特徴
レイヤー2には、オプティミスティック・ロールアップ(Optimistic Rollups)、ZK Rollups、プラズマ、バリディアム、チャネルといった種類がある。
ここでは以下の代表的なレイヤー2について解説する。
- オプティミスティック・ロールアップ(Optimistic Rollups)
- ZK Rollups
オプティミスティック・ロールアップ(Optimistic Rollups)
オプティミスティック・ロールアップとは、イーサリアム基盤層(レイヤー1)の外で取引を実行し、そのデータをイーサリアムに送ることでイーサリアムの負荷を軽減するレイヤー2のソリューションである。
この方法は、イーサリアム基盤層の外で取引を実行する際に、「不正がないと仮定」して取引を実行する。これにより、イーサリアム基盤層の負荷を軽減し、取引の速度を上げることができる。
また、イーサリアム基盤層に送信するデータを減らすことで、取引にかかるガス代を削減することができる。
ZK Rollups
ZK Rollupは、オプティミスティック・ロールアップと同様に、メインネットワーク(レイヤー1)の外で取引を実行し、その結果をメインネットワークに送信する方法である。
ZK Rollupとオプティミスティック・ロールアップとの決定的な違いは、取引の実行方法にある。オプティミスティック・ロールアップの場合、「不正がないと仮定」して取引を実行する。そして、取引に不正があると証明できる「チャレンジ期間」を設けることで不正を検出する。
ZK Rollupは、取引が正しいかどうかを「ゼロ知識証明」という特殊な暗号技術を使って証明する。また、取引のデータを圧縮することにより、ガス代を削減することができるといったメリットがある。
一方で、ゼロ知識証明の生成には高い計算能力が必要であるため注意が必要だ。
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レイヤー2の主な目的は、分散化、セキュリティを犠牲にすることなくトランザクションのスループットを高めることである。
ここからは、そんなレイヤー2の特徴について、代表的なイーサリアムのレイヤー2プロジェクトを例に解説する。
代表的なレイヤー2には、主に次のようなプロジェクトがある。
- 仮想通貨MATIC(Polygon)
- 仮想通貨OP(オプティミズム)
- 仮想通貨ARB(アービトラム)
仮想通貨MATIC(Polygon)
名称 | MATICトークン |
ティッカーシンボル・通貨単位 | MATIC |
価格* | ¥108.74 |
時価総額* | ¥1,042,012,422,091 |
時価総額ランキング* | 15位 |
取り扱いのある主な仮想通貨取引所 |
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Polygonは、イーサリアムのブロックチェーン上に構築されたレイヤー2ネットワークで、イーサリアムのスケーラビリティ、スループットの問題を解決するために、レイヤー2としてトランザクションの処理を効率化する。
Polygonは、2021年2月にMATICから改称されたが、ネイティブトークンの名称は変わらずMATICと呼ばれている。また、2023年7月には次世代のネイティブトークンとして「POL」が提案されている。
Polygonは、複数の技術を組み合わせてDAppsの開発に適した環境を提供する。その中で注目されている技術がPolygon PoS、 Polygon zkEVM、Polygon Midenである。
Polygon PoSは、イーサリアムのネットワークに接続されたサイドチェーンと呼ばれる別のチェーンを作り、そこでトランザクションを処理することにより、高速なトランザクションとガス代の節約を実現する。
Polygon zkEVMは、ゼロ知識証明と呼ばれる技術を用いてスケーリングを行う技術である。イーサリアムのチェーンにトランザクションの証明を送ることにより、高速なトランザクションとガス代の節約を実現する。
Polygon Midenは、トランザクションの実行をクライアント(ユーザーの端末)で行い、その証明をチェーンに送りトランザクションの正当性を保証する技術で、高速なトランザクションとガス代の節約を実現する。
仮想通貨OP(オプティミズム)
名称 | Optimism(OP) |
ティッカーシンボル・通貨単位 | OP |
価格* | ¥418.44 |
時価総額* | ¥399,579,984,047 |
時価総額ランキング* | 30位 |
取り扱いのある主な仮想通貨取引所 |
bitbank Binance Japan |
仮想通貨OPは、イーサリアムのブロックチェーン上に構築されたレイヤー2ネットワークである。OPは、オプティミスティック・ロールアップ(Optimistic Rollups)という技術を使っている。
オプティミスティック・ロールアップとは、イーサリアム基盤層の外で取引を実行し、そのデータをイーサリアムに送ることで、イーサリアムの負荷を軽減するレイヤー2のソリューションである。
また、イーサリアム基盤層の外で取引を実行する際に、「不正がないと仮定する」ことでイーサリアムの基盤層に送信するデータを削減することができる。
これにより、イーサリアムの基盤層の負荷を軽減し、取引の速度を上げることができる。さらに、イーサリアムのメインネットに送信するデータを減らすことで、取引にかかるガス代を大幅に削減することができる。
仮想通貨ARB(アービトラム)
名称 | ARBトークン、ARB |
ティッカーシンボル・通貨単位 | ARB |
価格* | ¥254.85 |
時価総額* | ¥326,400,717,285 |
時価総額ランキング* | 39位 |
取り扱いのある主な仮想通貨取引所 |
bitbank OK CoinJapan |
仮想通貨ARBとは、イーサリアムのブロックチェーン上に構築されたレイヤー2ネットワークの一つである。ARBはOPと同様に、オプティミスティック・ロールアップ技術を使うことにより、イーサリアムの基盤層の負荷を軽減し、取引の速度の向上を実現している。
ARBとOPは、同じオプティミスティック・ロールアップ技術を使用しているが、両者には「取引の正しさ」を確認する方法において明確な違いがある。
ARBは不正証明を複数回行うことで取引の正しさを確認するが、OPは不正証明を一回だけ行うことで取引の正しさを確認する。不正証明を複数回行うARBは、取引の速度を下げることがあるが、不正証明のコストが低いという特徴がある。また、ARBは独自の仮想マシン(AVM)を使って、スマートコントラクトを実行する。
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レイヤー2の将来性
レイヤー2は、レイヤー1のセキュリティを利用しながら、スケーラビリティや効率性を大幅に向上させる。
ここからは、そんなレイヤー2の将来性について、代表的なイーサリアムのレイヤー2を例に考察してみよう。
- ブロックチェーン技術の限界を克服
- スケーラビリティやスループットを大幅に改善
ブロックチェーン技術の限界を克服
レイヤー2は、ブロックチェーン技術の限界を克服し、より広範な利用や革新的なアプリケーション開発を可能にするという特徴がある。
また、ブロックチェーンのスケーラビリティ問題に対応できる点も、将来性を考える上で大きな要因となる。さらに、ネットワークの混雑に伴うガス代高騰にも対応できる。
レイヤー2は、ロールアップやチャネル、プラズマといった様々な技術が開発されている、それぞれに特徴やメリットがあり、ブロックチェーンの多様なニーズに応えることが可能だ。
スケーラビリティやスループットを大幅に改善
イーサリアム仮想マシン(EVM)と完全に互換性があるレイヤー2なら、既存のイーサリアムベースのdAppを最小限のコード変更で移行できる。このことは、スマートコントラクト開発者にとって有益である。
レイヤー2を利用することで、開発者はスマートコントラクトのコードを大きく変更することなく、スケーラビリティやスループットを大幅に改善することができる。
また、レイヤー1のスマートコントラクトの完全性を保ちながら、スケーラビリティ問題やスループット向上を実現できることも非常に有益だ。
このように、レイヤー2はブロックチェーン技術の進化をけん引し、その利便性や安全性を飛躍的に向上させる存在となる可能性を秘めている。
レイヤー2銘柄の注意点/リスク
レイヤー2は、ブロックチェーン技術の限界を克服し、トランザクションのスループット向上を目指している。
ここからは、そんなレイヤー2の注意点やリスクについて詳しく解説する。
レイヤー1の影響を受ける
レイヤー2は、基盤となるレイヤー1のブロックチェーン(イーサリアムなど)の影響を受ける。レイヤー1の技術的な問題がレイヤー2のパフォーマンスや信頼性に大きな影響を与える可能性がある。
また、レイヤー1のアップグレードやハードフォークがレイヤー2の互換性や安定性に影響を与える可能性も考慮する必要がある。
さらに、レイヤー1とのインタラクション(やりとり)において、遅延やコスト増加などの問題に直面する可能性があるので注意が必要だ。
未知の不具合やセキュリティの脆弱性が存在する可能性
レイヤー2は、まだ新しい技術であるため、未知の不具合やセキュリティの脆弱性が存在する可能性がある。これは、ユーザーの資産やプライバシーに損害を与える可能性があることを示している。
たとえば、レイヤー2のネットワークがハッキングされたり、不正な取引が行われたりすると、ユーザーはレイヤー2上の資産を失う可能性がある。
また、レイヤー2はレイヤー1のブロックチェーンに依存しているため、レイヤー1のセキュリティに問題が発生した場合、レイヤー2も影響を受ける可能性がある。
レイヤー2を利用する際には、これらのリスクに注意する必要がある。
レイヤー2に関するよくある質問
- レイヤー1とレイヤー2の違いは何ですか?
-
レイヤー1とは、ブロックチェーンの基本的な構造や仕組みのことで、ビットコインやイーサリアムなどのネットワークが代表的なレイヤー1にあたる。
レイヤー2とは、レイヤー1の上に構築されたネットワークで、レイヤー1のブロックチェーンに依存しながら、スケーラビリティ問題やスループットを向上させることができる。
- レイヤー2とサイドチェーンの違いは何ですか?
-
レイヤー2もサイドチェーンも、ブロックチェーンにおけるスケーラビリティ問題の解決を図るための技術であるという点は共通だ。その一方で、レイヤー2がレイヤー1(メインネット)上に構築されているのに対して、サイドチェーンは、独立した別のブロックチェーン上に構築されているという違いがある。
レイヤー2のまとめ
レイヤー2の主な目的は、分散化や、セキュリティを犠牲にせずにトランザクション(データのやりとり)のスループット(トランザクション数)を高めることである。
代表的なレイヤー2には、オプティミスティック・ロールアップ(Optimistic Rollups)、ZK Rollupsなどがある。代表的なレイヤー2銘柄には、MATIC(Polygon)、OP(オプティミズム)、ARB(アービトラム)などがある。
レイヤー2は、基盤となるレイヤー1のブロックチェーン(イーサリアムなど)の影響を受ける。レイヤー1の技術的な問題がレイヤー2のパフォーマンスや信頼性に大きく影響を与える可能性があるので注意が必要だ。
- レイヤー2はレイヤー1の性能を向上させることができる
- レイヤー2はブロックチェーン技術の進化をけん引する存在である
- レイヤー2はレイヤー1に依存しているため、レイヤー1の影響を受けやすい
- 仮想通貨を購入するなら、コインチェックを利用できる
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